窓からの切り取られた風景に、記憶と思いが交錯します。
窓からの切り取られた風景に、記憶と思いが交錯します。
金沢21世紀美術館にジェームズ・タレルという作家の「タレルの部屋」という作品があるそうです。
(タレルの部屋で画像検索すると見れます)
大阪に住んでいる頃、4階建てマンションの最上階でした。
4階だけは2ルーム。
2階と3階は2ルーム以上あったと思います。
初めての単身赴任に加え、生涯初めての一人暮らしです。
その物件を気に入ったのは、天窓があったからです。
最上階なので、天井までの高さが2階分あります。
どういう方がお住まいだったのか、照明は全て間接照明です。
床に寝転ぶと、この天窓から空が見えます。
夜が明ければ、陽の光が差し込む。
雨が降れば、天窓にあたる音がする。
星空は見えなかったけれど、夜が暗い事がわかる。
とても気に入っていました。
タレルの部屋ではありませんが、空を切り取って見えるのです。
白い天井に、天気の良い日はぽっかりと青い空が浮かびます。
それは、同じ景色を二度と見る事が出来ない、ただ一度きりの芸術です。
札幌の住まいでは、別の思いがあります。
札幌は二度目の単身赴任でした。
当時は新型コロナウィルスが大流行の時。
本州よりも早く猛威をふるい、クラスターが各地で発生。
まもなく仕事は、在宅勤務となりました。
毎日、同じ場所に座り、PCの画面を見ながら、ひとりの仕事が続きます。
部屋から見た、窓の外の風景が、まるで切り取った絵画の様に記憶に残っています。
その時、仕事をしながら聴いていたラジオのジングルと共に残っています。
そのジングルを聴くと、その切り取った窓のからの景色がよみがえるのです。
窓の外の風景は、風光明媚ではありません。
次第に気持ちが荒んできました。
今、3度目の単身赴任です。
別宅には、ゴッホの「星月夜」のレリーフが飾ってあります。
先日、妻が別宅に来ました。
壁に大きな存在感をしめしている「星月夜」のレリーフを見ながら、なぜあの絵を選んだのか、あの絵の背景は何かと問われました。
背景は解説する方で諸説あり、今般は割愛します。
私がセレクトした理由も割愛します。
ゴッホが精神病院のひとり部屋に隔離されている時、小さな窓から見た事がモチーフのひとつである事を聞いた事があります。
でも、そこから見える風景は、その絵画の通りではないそうです。
見える景色をモチーフに、ゴッホの様々な思いが織り込まれているのだと思います。
窓からの切り取られた風景に、記憶と思いが交錯します。
今でも窓からの景色が、切り取られた風景に見える事があるのです。
窓という日常的な存在が、記憶や感情と結びつき、特別な意味を持つ。
人だけが持つ、特別な思いですね。










最近のコメント