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音と記憶

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夏になると、雨戸を開けるのと同時に蝉の声が聞こえてきます。
朝の支度をする途中で、庭の木々や草花の成長を確認します。
狭いから、すぐに終わります。
しかし、窓からしばらく眺めていたりします。

蝉の声を聞くと、高知県に住んでいた祖父母の事を思い出します。
祖父母の家は高知市街、鏡川に近いところにありました。

小説家が住んでいる様な古い日本家屋で、薄暗い1階と狭くて急な2階への階段。
勝手口から続く台所とお風呂場。
だいぶ記憶があいまいになりましたが、まだ思い出す事が出来ます。
そんな祖父母の家では、開け放った2階の窓から、夏の強烈な明るい陽射しと蝉の声で朝は目を覚ましました。

朝目覚めて、雨戸を開け聞こえてくる蝉の声に、ふと時間をさかのぼる事があります。
歳をとりましたね。

先日、ひぐらしの声を聞きました。
大合唱でした。

人工的な音が殆どしない中で、ひぐらしと蝉の声が重なる。
とても穏やかな気分になりました。
しばらく、聞き入っていました。
歳をとりましたね。

音は様々な記憶と結びついている事が多いですね。
音楽は自分の人生も勿論、映画やテレビのドラマで、音楽とシーンが重なり印象的な記憶が多くの人にあると思います。
音、そのものも同じですね。

祖父の病気と共に、祖父母はもう少し郊外へ引っ越し、人生をそこで終えました。
ふと、Googleで祖父母の家があった高知市街のその場所を調べてみました。
残念ながら、現在は駐車場になっていました。
幼い頃に、既に古い日本家屋でしたから、借りる人もいなくなっていたのでしょう。
ストリートビューで見たその景色には、当時と変わらない通りや公園がありました。

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