言葉にしないで…。

声に出さないで…。
言葉にしないで…。

受験勉強で例えば英単語を覚える時、発音しながら書いて覚える…なんてのがありました。
これ、人間の行動で、話して（声を出し）、書いて、見て、聴いての4種類が入っています。
よく覚えられた気がする、いい方法だと思います。

誰かを罵りたい。
そんな気持ちがいっぱいになってきたら、海に流せるといいですね。
「○○の事、大嫌い」
これは先ほどの英単語を覚える動作の中で、話して、聴いている事と同じです。
自分で言葉を発し、耳で聞いて、心のノートに書き込む。
確認している事と同じです。
ちょっと嫌だなぁと思っていた自分の気持ちを、確認して確定させるものですネ。

言霊とはよく言ったもので、発した言葉が魂を持って、心の中に生き始めます。
辛い言葉で気持ちが荒むなら、例えば「私はしあわせ」と言って、心が豊かになる方が楽しいです。

「王様の耳はロバの耳」ではありませんが、心の中に溜め過ぎると、これはまた、これで苦しい。
そんな時は聴いてくれる誰かに話して、それから穴を掘って、その気持ちはそこに埋めてしまう事が出来たスッキリしますね。

昨日、東京の空模様は、スコールみたいな雨が降ったりやんだりでした。
上空に暖かい空気、冷たい空気、湿った空気が重なり合い、そんな天気になったそうです。
短い時間に降る激しい雨がやむと、美しい虹がでます。
多様な空気があるので、雲は様々な形となり、美しい空を作り上げます。

人の世界も多様であり、宗教や慣習、環境などでいろいろな事が異なります。
私は学生時代に経済学を学びました。
学んだという表現に疑いもありますが…。
経済学はややこしい指標もあり、統計学もあり、複雑な計算あり、それだけで敬遠される部分が多いのも事実です。
でも、人間がやる事なので、予測不能で、あいまいで、誰にでも通じる理屈は大変です。

合理的な経済秩序の問題に特有の性格は、我々が利用しなければならないさまざまな状況について知識が、集中され統合された形では決して存在せず、ただすべての別々の個人が所有する不完全でしばしば互いに矛盾する知識の、分散された断片としてだけ存在するという事実によって、まさしく決定されているのである。
したがって社会の経済的な問題は、単に「与えられた」資源をいかに配分するかという問題だけではない。
【中略】
それはむしろ、社会のどの成員に対しても、それぞれの個人だけがその相対的重要性を知っている目的のために、彼らに知られている資源の最良の用途をいかにして確保すべきかという問題である。
すなわち簡単に言うならば、どの人にもその全体性においては与えられていない知識を「社会全体として」どう利用するかという問題なのである。

ハイエク　知識社会の自由主義／池田信夫

我々は情報を全てひとりで独占する事は出来ないし、新しいと思っているその情報が、その内容が既に変化している事もあります。
独善的な気持ちになっている。
ちょっと頭をよぎったなら、「私は大丈夫か？」と心のノートに書いて確認をしてみる。
その時、自分で声に出し、耳で聞いて「王様の耳はロバの耳」と言って、自分の持っている情報が、自分を誤った方向に導いていないか、聴いてくれる人に確かめてみる。

誰かを好きになった。
その時の気持ちを思い出してみる。
太っていても、やせていても…。
身長が高くても、低くても…。
髪が長くても、短くても…。
愛しく、大切であった事を。
そして、とてもやさしかった事を。

意思の疎通をする事が大変でも、出来なくても…。
相手が答えてくれても、答えてくれなくても…。
苦しくても…。
好きの気持ちに、変わりはありません。

誰かが生きる事だけで、誰かの生きる理由にも、生きる力にもなるのだから。