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「根曲がり竹」の小さな約束

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立ち寄った道の駅での事。
「根曲がり竹(ネマガリタケ)または姫たけ」を販売しているのを見つけました。

東京の居酒屋でオーダーしたら、4本で1,000円前後の代物です。
結構な量です。
これは季節の味だし、お買い得だと思いました。
その時は、現地の関係会社の方を含め3人でした。
3人とも、これはお買い得と共通の認識です。

これ、外側の皮に少し焦げ目が付くぐらい焼いて、あ~おいしそう。
煮物でもいいね。
「毎日、その日の朝に収穫したものを販売しています」と旦那さん。
想像が膨らみます。

しかし、仕事中。
明日、帰りに寄るからと話して、その場を離れました。

翌日の帰路、空港まで送ってもらう途中に再度立ち寄りました。
しかし、店頭に「根曲がり竹(ネマガリタケ)」は無く、あ~売り切れかとがっかり…。
ところが、我々3人が近付いてゆくと、旦那さんはニッコニッコ。

おもむろに台の下から、そっと「根曲がり竹」を出します。
「今日は販売好調で、他は売り切れ。皆さんが来ると思って、取り置きしておきました
旦那さんは満面の笑み。

そうした心配りに、私は率直に「うれしい」と話しました。
約束を守った事が旦那さんもうれしいらしく、売り物の人参を解体して「これも、とってもおいしいから食べてみて」と試食させてくれました。
「それは生でも食べれる人参。おいしいでしょう。」
「うん、おいしい
確かに生で食べて、おいしい。
「これ、入れておくから食べてね」

「今日、東京に帰るんだったら飛行機の時間から、14時頃に来なければ、また店頭に出そうと思ってたんだ」と旦那さんがつぶやきました。
昨日のわずかな時間にした、その約束を信じてくれた。
約束を守ってくれる。
尊重してくれる。
互いに信じあえた事がうれしい。
「ここに寄らなければ帰れないです」と私。

旦那さんの直売店舗から離れました。
「旦那、商売上手だね。本当は我々がいなくなったら、またごっそり出てきたりしてな」と同行者の一人が言いました。
確かによくある事かもしれません。
それなら、それでいい。
すっかり信じ込まされるぐらい騙されたなら、それは私の完敗。
気持ちがいいぐらいです。
でも、そんな事はありません。

「根曲がり竹」が食べれる事よりも、約束を信じてくれた事が何よりのごちそうでした。

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コメント

ケンシロウさん、こんばんは。

よかったですね。約束を信じて、約束を守ることが自分への一番のご馳走と思います。

小さな約束でも守ることはとても大切だと思います。小さな約束も守ることが出来ない人は大切なことも守れない人だと思うのです。その様な人は信用しないし、付き合いたいとも思いません。

疑うことより信じることの方が心は満たされるのではないでしょうか。商売上手と考えるより、その人が自分の為に取ってくれたと考えると味も何倍も美味しく感じると思います。もしそれが間違っていたら素直に自分の見る目がなかったと反省すればいいことかもですね

omoromachiさんへ

いつもコメントありがとうございます。

信用が裏切られたり、騙されたりする事は愉快な事ではありません。
でも、やさしい嘘なんて言葉が小説などで多用される通り、どこかにそんな事が許させる場面もあると思います。
命の現場にいらっしゃる先生は、なおさらにやさしい嘘から始まる事で、これを「嘘からでた誠」に変化させる厳しい世界の事もご存知ではと考えます。

人の世は、人との関わりを除いて生きられないのですものね。
人から搾取を繰り返す人が、人生が終わるまでのどこかで、その帳尻を合わせざるを得ない。
誰かと信じあえる喜びの方が、しあわせの貯金が多く、その帳尻が合わない。
その方が、きっと生きていて楽しいですよね。

コメントありがとうございました。

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