生まれてきてくれて、ありがとう。
先日、25歳になる二男と、将来のことについて少し話をしました。
彼はアスペルガー症候群という特性を持っています。
その彼が、ポツリと言いました。
「自分と同じ苦労をさせるのは忍びないから、子供は作らないつもりだ」と。
今、彼は日々業務の中で戸惑い、葛藤しながらも、周囲の支援を受けながら懸命に働いています。
そんな彼が、姪っ子が生まれた時には、無事に生まれてきた喜びで涙を流し、今も本当によく可愛がってくれています。
命の尊さを誰より知っているからこそ、自分の抱える「生きづらさ」を、まだ見ぬ誰かに背負わせたくないと願う…。
その不憫なほどに誠実な思いに、胸が締め付けられる思いでした。
私は、父として彼に伝えました。
「○○が我が家に生まれてきてくれて、本当によかったと思っている。もし違っていたら、雑に扱われたり、もっとひどい目に遭っていたのではないかと考えてしまう。お前が私たちの子供であることに、マイナスな気持ちなんて何一つないんだよ」
そしてこれは、本心からの言葉です。
彼がいたからこそ、私の仕事に対する向き合い方は、大きく変わりました。
🎀「教育」ではなく「共生」から学んだこと
今、リーダーとして組織を率いる中で、私はかつて「なぜこれができないのか」と、欠けている部分にばかり目が行く時期がありました。
しかし、二男を育てる日々は、私に全く別の視点を与えてくれました。
「できないことを叱責するより、できたことを共に喜ぶほうがいい」
言葉にすれば簡単ですが、これを心底納得できたのは、二男の成長を一番近くで見守ってきたからです。
彼が一つひとつハードルを越えていく姿に、私はリーダーとして大切なことを教わりました。
仕事の仲間と良い関係を築くために必要なのは、正論で追い詰めることではなく、その人の存在を認め、小さな一歩を共に喜ぶこと。
私が「養育」していたつもりが、実は二男によって、私自身が「リーダーとして、一人の人間として」養育されていたのです。
🎁存在そのものが、誰かの力になっている
彼がいなければ、今の私の仕事のあり方は、もっと殺伐としたものになっていたかもしれません。
二男が周囲の助けを借りながら働いている姿は、裏を返せば「人に頼る勇気」や「助け合う喜び」を、その職場に提供しているとも言えるでしょう。
🎀「子供を作らない」という彼の決意。
それは今の彼の精一杯の誠実さです。
その思いも丸ごと抱えて、私はこれからも彼の父であり、彼から学んだ「受容」を大切にするリーダーでありたい。
○○へ。
お前が教えてくれた「できたことを喜ぶ」という魔法を、今日もお父さんは仕事の現場で使っているよ。
生まれてきてくれて、本当にありがとう。









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