恋に恋する頃の、小学6年生が聴いたなら。
恋に恋する頃の、小学6年生が聴いたなら。
現在は知らないのですが、小学6年生の音楽の授業で、グリーグのピアノ協奏曲イ短調作品16を聴く授業がありました。
短い授業時間なので、第1楽章だけで、それも中盤まで。
その時、初めて聴きました。
授業時間の事もあり、全部という事にはいかなかったですね。
印象的な楽曲ですから、記憶に残っていました。
ただし、その冒頭部分だけ。
そして、この楽曲が忘れられなくなるのは、その少し先の事です。
SONYのウオークマンⅡのCM曲に使用したのです。
あっ、これ。
小学生の頃から、使わずに使用していたお年玉を使って、そのウオークマンを購入しました。
新宿のお店で格安で販売される事を、おふくろが教えてくれた事も覚えています。
特売のピンクの台紙だったチラシまで、なぜか覚えています。
このウオークマンにデモテープが付属していました。
それが、CMでも利用したグリーグのピアノ協奏曲イ短調作品16だったのです。
テープには、第1楽章の中盤部分までが入っていたと思います。
魅了されました。
すぐに探しました。
FM放送の番組表で、オンエアされる日を見つける事が出来ました。
心待ちににし、カセットで録音の準備をします。
第1楽章は、こう続いてゆくのか。
第2楽章の甘美なメロディー。
第3楽章の壮大な終わり方。
繰り替え返し聴きました。
6歳下の妹まで、この楽曲が教科書にあり、授業で聴いたそうです。
習い事としてピアノもやっていた妹は「短調の曲は暗いから…」と好きでないと言っていました。
授業には、時間制限と必修の事項がある事は承知の事です。
50分の授業でなら、全曲を聴く事が出来ます。
例えば、第2楽章は好きな人の事を思いながら、聴いてみて下さい。
…と言って聴かせたら、どう感じるか。
この第2楽章はグリーグが新婚生活の中で、充実した毎日を過ごしながら作られたそうです。
それなら、そういう前置きをして、恋に恋する頃の小学6年生に聴かせたなら、感じ方が違うと思います。
この第2楽章は効くと思います。
ベートーヴェンの運命も、第1楽章だけでなく、闘争からの勝利となる第4楽章までを聴かせると印象が変わると思います。
ヴィヴァルディの四季も、春だけでなく、夏や冬を聴く事で、授業というイメージが薄くなると思います。
今でも、様々な映画やドラマ、番組でアレンジが異なるをものを含め使用されています。
そこから音楽へのイメージが膨らみ、変わる事が、とても人生を豊にすると思うのです。
授業が様々なきっかけとなるならば、音楽の授業は感受性の豊かな人を育てる、所期の目的を達成できます。
文部省さん、どう思います?
恋は、人をいちばん成長させるそうですよ。
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