物語の初恋も、現実の初恋も、実らない事が多い。
映画「銀河鉄道999」は、当時小学生6年生で大人の入り口と子供が交じり合う、その時期でとても印象に残っています。
松本零士さんの主要キャストが勢揃い。
キャプテンハーロックにエメラルダス。
ヒーローの活躍と、鉄郎のメーテルに対する淡い恋心と、映画の最後にあるとお別れ。
別れの時、メーテルが鉄郎に語りかけます。
私はあなたの青春の幻影。
私があなたの目の前にたっても、あなたは私に気づかないでしょう。
二度と会う事が出来ない事を示唆するこの言葉に、胸が締め付けられます。
そして、汽笛が鳴り999は走り出します。
蒸気機関車の走り出し、車輪の滑る音や、その全てがたまりません。
青木望さんの美しいメロディは、鉄郎がメーテルの名前を叫ぶのと同時に最高潮となります。
野沢雅子さんの真骨頂です。
流れて行く999と鉄郎の感情爆発が、青木望さんの楽曲と重なります。
空に消えて行き点になる999。
見つめる鉄郎。
そこに城達也さんの素敵な声で、少年の日々が終わるとのナレーションが入ります。
城達也さんのナレーションと青木望さんの楽曲が余韻を残して終わります。
すると、ゴダイゴの主題歌となります。
鉄郎が線路を最初にトボトボ歩き、やがて走り出します。
これ、初恋が成就せず諦めるけど、新しく頑張って行こうという感情と、どこか同じだと思うのです。
ゴダイゴの銀河鉄道999の歌詞もピッタリです。
まさしく青春の幻影。
そして、新し旅立ちです。
原田知世さんが初主演した映画「時をかける少女」。
バリバリのヘヴィメタルだった私が、一瞬で心奪われてしまいました。
物語の中、原田知世さんは未来から来た高柳君に淡い恋心を抱きます。
でも、高柳君は未来に帰らなければならない。
互いに同じ思いを抱えながらも、未来から来た秘密を知った原田知世さんの記憶を消さなければならない。
その時、原田知世さんは「忘れない…」というのです。
そして、約10年前後が経過したと思われるその時、ふたりは再会します。
わずかな記憶がよみがえる、そんな雰囲気が醸し出されます。
その時流れている楽曲名は「いつかどこかで」。
なぜ知っているか。
隠れるようにしてサウンドトラックを買ったからです。
サウンドトラックは映画の場面入り、台詞入りです。
原田知世さんにうっとりです。
話がそれましたが、忘れないと思う気持ちに、高柳君と同じ(多分)薬剤師を志す。
再会をした時、なぜか、どこか、懐かしい気持ちが湧きあがる。
どこかに残る初恋の思い。
原田知世さんの「忘れない…」が思い出されるのです。
そして、これ以上に切なさを感じるのが北の国からの初恋です。
互いを意識し、恋が芽生える、そして別れが来る。
子供にはどうしても、どうする事も出来ない事情。
追うこともできず、やるせない気持ちが、ただ残ります。
雪の中、静かに残る思い。
尾崎豊さんのI Love You が響きます。
初恋は実らない、その物語が多いと思うのです。
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