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2026年4月21日 (火)

3番と13番 ― フォークリフト講習の記憶。

Akatsuki231

50代も半ばに差し掛かる頃、フォークリフトの免許を取得するためスクールに通いました。
3月だったこともあり、4月から就職を控えた初々しい若者たちの姿が多く見られました。

初日の学科終了後には「効果測定」があるとのこと。
一定の点数を確保しないと落第です。
久々の「試験」という響きに、当日は緊張でテンパりながらも受講しました。

受講中は一言一句聞き逃さないよう、集中、集中。
なにせこちらは、本当に久しぶりの試験なのです。
結果、効果測定は予測していたよりはるかに簡単で、拍子抜けするほどでした。
しかし、本当の落とし穴はこの先にありました。

翌日からは、いよいよ実車での講習です。期間は4日間だったでしょうか。

フォークリフトは、後輪で進路を決めます。
ふと思い出したのは、学生の頃に流行ったホンダの「プレリュード」です。4WS(四輪操舵)という機能があり、後輪が最大4度曲がる仕組みでした。
友人の車を運転させてもらった際、最初は違和感もありましたが「狭い場所では便利だな」と感じたものです。

当時の私の愛車はスカイラインのR31で、こちらには「HICAS」という、後輪が1度だけ曲がる機能がついていました。
高速道路での車線変更などはスムーズに感じた一方で、インターチェンジのカーブなどでは、少し独特の違和感を覚えた記憶があります。

しかし、フォークリフトはそれどころではありません。
この「後輪で進路を決める」感覚に慣れるまで、少し時間が必要でした。
10代や20代の受講生たちは、なんなくこなしていきます。
競う必要などないのに、つい焦りを感じてしまいます。

そんなメンバーの中に、私と同年代の「ご同輩」がいました。
年齢は同じか、少し若いくらいでしょうか。

彼は教官によく注意されており、とにかく目立ちます。
そして、その次に目立っていたのが私でした。

講習中は苗字ではなく、番号で呼ばれます。
その彼は「13番」。
講習の合間に、講師が13番に問いかけました。
「免許を取ったら、どこへ行くんだ?」
「物流の会社に勤めたいと思っています」
「それなら、これは絶対必要だな」

再挑戦であることが窺える13番に対し、応援する気持ちがこもった教官の檄が飛びます。
そんな背景を聞いてしまったからか、教官の声の掛け方も、のほほんとしている3番(自分)に対するものとは明らかに違いました。
本当は、私のほうも「実技だけは落第できない」と焦りまくっていたのですが……。

その日の講習終わり、13番は教官から「頑張れな」と声をかけられていました。
うつむき加減に「はい」と答える13番。

しかし、翌日以降、彼の姿を見ることはありませんでした。

私はといえば、めでたく最終試験も失敗なく、追加講習を受けることもなく免許を取得できました。
しかし現在、現場では「フォークリフトに乗らなくていいです」と皆から言われています。
取得後に意気揚々と作業した際、商品をいくつも壊してしまったからです。

13番、どこかの空の下で元気にやっていますか?
3番は相変わらず成長せず、失敗ばかりの毎日です。

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