私の「執念」は、時に反作用を起こす。
ひとつ前の記事と少し相反する話となります。
長男が小学校に入学して、最初に隣の席になった女の子が、とても好意を寄せてくれていました。
まだ小学校も低学年の頃だったと思います。
その女の子が息子の折り紙を、家に持って帰ってしまったとの事。
当の息子は、ランドセルがなくなるぐらいでなければ気がつかない大まぬけです。
そんなところだけは、父親に似ています。
お母さんが、その子と一緒に謝り方々折り紙を返しに来ました。
当然、息子は何にも気づいていません。
その子のお母さんは、人のものを黙って持って帰ってはいけないと教える事が目的です。
妻は恐縮し、その子をいたわる言葉をかけました。
折り紙が欲しかったのではなく、息子が使っていたから持って帰った。
その子のお母さんも、妻も、私もわかります。
ふたりは同じ中学に進学します。
中学生になって、恋は日々の事の中で大きな位置を占めます。
ある日、彼女が友達と公園で恋バナをしていて、公園の壁に我が家の苗字と自分の名前を重ねて書いたのです。
そんな事、誰でも授業中にノートの隅に書く事があった話です。
ところが、そんな他愛ない事を誰かが学校に通報したのです。
その事実は学校で、知られる事実となったでしょう。
我が家にもその話が入ってきたのですから、間違いない。
なんて無粋な。
そして、彼女は大きな賭けにでます。
中学3年生のバレンタインデーに意を決した彼女が、手作りのチョコレートを届けに来ました。
同じ高校には進学しません。
そのチョコレートは、母親と一緒に作ったものでした。
その恋は実りませんでした。
親が何を言っても始まりません。
彼女の小学生の時から続く片思いに、彼女の事を思えばとても切なくて、やるせない思いでした。
長い間の思いに、望まない決着を付けなければならない。
ずっとあなたの事が好きだった…こんな続く思いに、私の執念は反作用を起こす事があります。
最近、映画化された「花まんま」
朱川湊人さんの原作を読んだの、ずいぶん昔だった気がします。
この時も、涙なくては読めなかったです。
映画を観てもやっぱり、涙でした。
亡くした子供への思い。
亡くなった方を忘れられない、というのもまた、その人との絆や思い出を深く心に刻み続ける「執念」の一種と言えるでしょう。
それは、過去を大切にし、故人を敬う気持ちの表れです。
単なる復讐心や自己実現だけでなく、私の執念は反作用を起こす事があります。
ブルッフのヴァイオリン協奏曲第2番。
第1楽章は遠く離れた愛する人の安否を気遣う気持ちが、不安を感じさせるメロディーとなります。
大切な人は、連絡も取れない戦地にいる。
そして、終楽章となる第3楽章は、その再会が喜びをもって表現されます。
それは、先ほどまで枯れていた野に、色とりどりの花が次々と咲いてゆく。
地の果てまで続く、その喜びを表現している様に、私は感じるのです。
聴くたびに、しあわせな気持ちになります。
遠くにいる人の安全をずっと祈っている、私の執念は反作用を起こす事があります。
執念は目標達成のエネルギーとしてだけでなく、人を深く愛し、記憶を大切にし、祈り続ける力にもなり得る。
都合がよすぎますかね。
「OASIS」の「TOLK TONIGHT」がいい。
I wanna talk tonight
Until the morning light
Bout how you saved my life
Yon and me see how we are
Yon and me see how we are今夜は君と語り明かしたい
空が朝焼け色に染まるまで
君の存在がどんな風に俺を救ったか
ふたりの関係がどのくらい重要で
ふたりの関係がどの程度シリアスか
出典:アルバム「STOP THE CLOCKS」より
対訳 児島由紀子さん
「執念」の「反作用」とは、おそらく、コントロールできない状況や、どうすることもできない切ない現実に直面した際に、その強い感情が哀しみや共感といった形に転じることを指しているかもしれません。
やっぱり、かっこよすぎるかな。
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