人間関係の難しさ。
人は分かり合えると私は思うが、現実の世界ではなかなか難しい。
今、世界で起こっている争いが、果てしなく続いている時に、この事が説得力を持つアイデアは思い当たらない。
仕事でも、特に利害の絡む仕事だからこそ、様々な思惑が多方面からあり、それを一致させるのは非常に難しい。
乱暴な話であるが、仕事が出来上がるという事は、この利害の調整が妥協や打算で、落ち着きどころを見出す事だ。
人間関係も様々な事がある。
同じと思っていた事が、違う事もある。
積み重なった思いが、ある違いを見出した瞬間に不満となって爆発する事もある。
分かり合えないと思った瞬間に、停止する人間関係もある。
それを動かそうと、その関係や過去の事を清算して進めようとしても、完全に切り替えるのは出来ない。
困難な事にさしかかると、清算したはずの事が一瞬してよみがえって、分かり合えない地点に戻ってしまう。
誰かに死ぬほど愛されているなら、誰かが殺したいほど憎んでいるかもしれない。
神様は人間をつくる時、忘れる…という機能を持たせてくれた。
この世は無常であり、同じ瞬間は一度としてないと仏様は教えてくれる。
でも、嫌だなと思っていた人から傷つけられれば、ショックだし腹も立つ。
分かり合っていると思う人からなら、なおさらにショックだ。
だから、自分を守るためにも、人は分かり合う事が困難なんだと思う。
そう思って、自分を守る事の方が良いと思う事がある。
それは難しい事であり、気持ちから外そうとしても、気になる事となる。
簡単に割り切れるなら、世界から胃炎が消える。
誰にも地位や立場など、社会的な背景がある。
人は分かり合う事が困難だ。
だから、理解のため、わかってもらうため、互いの共通認識を作るため、様々な作業をする。
ところが、感情的な問題が横たわっているのが常なので、それを行う気力がわかない事も多々ある。
別にあの人にわかってもらわなくてもいい…とかね。
そう思う人とも、コミュニケーションをしなければならないのが、人間の世界だ。
でも、壊れた関係を急いで修復する必要はない。
毎日コミュニケーションをしなければならないとしても、その事にとらわれると自分が苦しくなる。
そんなふうに心がけていないと、心がけていても、その人の気配を感じられるところなら、嫌な世界だ。
分かり合えない人もいる…と自分に言い聞かせて事態を乗り越える時も必要。
そう、解決するのではなく、乗り越えるだ。
逡巡するので、まとまりのない文章が長くなる。
ところが、分かり合えたと思う瞬間はうれしい。
生きているよろこびの、きっといちばん大きな事だろう。
だから人は、その瞬間に向けて努力してしまうのが性らしい。
誰もがそれぞれの事情を抱えながら、今を生きている。
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