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2024年8月11日 (日)

鑑賞した人、それぞれの思いでいいですね。

Akatsuki208

鑑賞した人、それぞれの思いでいいですね。

この世に発表された作品は、様々な評価を受けます。
今の日本では、その評価を自由に発言出来る。
この事はいい事だなと思います。
でもやっぱり、公共の福祉に反しない範囲は大切です。

「公共の福祉」という言葉を、中学3年生の公民の授業で学習した記憶があります。
日本は自由な発言や表現が可能だけれど、「公共の福祉」に反しない事が大切。
学習した頃は「公共の福祉」とは、その自由を阻害する要因にならないとか、誰かが傷つかないとか、そんな記憶があります。
授業中にオナラをした人がいて、「臭すぎて、公共の福祉に反する」と誰かが言って、笑った覚えがあります。

映画「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」をサブスクで観ました。
公開当時、泣けるがプロモーションに多用されていたと思います。
特攻に絡めて、誰かが亡くなる事で、涙するとか、感動するとか、ちょっと残念な気がしていました。
年の候だけ、書籍や様々な作品で事実に触れ、記念館で現物を見て、その時の所感があります。
齢を重ねるにつれ、誰かが、特に若者が亡くなる事が、とても辛い事です。
だから、死が、誰かが亡くなる事が、それが生きている事の実感につながるなら、それはさびしい事だと思うのです。

映画を観てから、作品に対する印象が変わりました。
現代からタイムスリップする人が、当時の事を当時の人々に「なぜ、そうしなければならないのか」と問います。
当時を生きた人々が、矛盾とわだかまりを抱えながら、様々な思いを抱えながら、折り合いをつけてその時を生きていたと思います。
これは、日本で今を生きる我々が考えなくてはならない命題だと思います。

この映画を観たと妻に話したところ、前述の様な「冷ややかなお話でしたよ」と言われてしましました。
素直に印象が変わった事を伝えました。
この記事の源泉はそこです。

この映画を観る観点で、様々な評価があると思います。
史実に忠実なのか、セットなど時代考証に誤りはないか、演技は、台詞は、ストーリーは?
公共の福祉に反しない範囲で、様々な評価があっていいと思います。
タイムスリップで出会った男女が恋に落ちる…という単純な映画ではないと私は感じたのです。
今を生きる我々に問いかけてくる命題を、映画を観て感じたのです。

鑑賞した人、それぞれの思いでいいですね。

知覧の記念館を訪れた事があります。
ビジネスの合間で、取引先の方と一緒に訪問しました。
その方は取引先の代表者で、女性でした。

記念館の様々な資料を見て、大粒の涙をこぼしていました。
当時、自身のお子さんと同じ年齢、あるいはそれよりも若い人たちが残した手紙に、母としても悲しいと言っていました。

あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。

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