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2024年4月 8日 (月)

近頃親父が、昔の事を話す事があります。

Akatsuki203

戦中の生まれである親父は、時々思い出したように幼い頃の話をする事があります。
親父は男3人、女3人の6人兄弟の末っ子でした。
第一子の長女と親父の間は、かなり年の差があったと思います。

第2子の長男は昭和一桁生まれです。
戦争は身近なものであり、まもなく自身が徴兵されるという思いもあった模様です。
親父ですら軍国少年教育で、大きくなったら兵隊になって英米をやっつけるんだ…と教育されていたと話しを聞いた事があります。

長男と親父は、その年齢差が10歳ぐらいあります。
ある日、長男が親父(ややこしい)と問答になったそうです。
私からすると叔父なので、以後は叔父と書きます。

叔父:俺の魂はここにある。ここに帰ってくる。
親父:魂って何だ?どこにあるんだ?
叔父:ここだよ(自身の胸を叩くしぐさ)。
親父:そこは心臓でしょ?
叔父:ここにあるんだよ。
親父:よくわからないよ。

叔父は戦争で生きて帰れなくなる事を、感じていたのだと思います。
亡くなって自分の身体がここへ帰ってこれなくても、魂は必ずここに帰ってくる。
そういう意味で言ったのでしょう。
幼かった親父に、この事を話しても理解は出来ません。

叔父が出征する前に、戦争は終わりました。
これは別の日の話ですが、叔父は幼い頃より刷り込まれた価値観の大転換を、はからずも自らの意思でなく、迫られる事となりました。
親父は叔父がその事で、生きる事それ自体に悩んでいたのではないかと言った事がありました。

しかし、兄弟問答は親父が正解だと思います。
確かに魂は、生き続けます。
私も亡くなった方から、その生きざまと思いを心に刻んだ事があります。
その思いが伝わって行く限り、その思いは、その魂は永遠でしょう。

でも、幼い親父が思った通り、魂のある場所も、魂が帰ってくる事もわからない。
だから、生きていなければならない。
魂がある場所を、その音を、ぬくもりを感じられなければならない。
私はそう思うのです。

次は自分の番だ。
そう思いながら生きていた叔父の心と思いは、想像を超えた範囲だと思います。
それは、家族と幼い親父に自らの死を悼む気持ちを少しでも和らげる事。
きっと自分の心と思いに、折り合いをつけねばならなかったのでしょう。

近頃親父が、昔の事を話す事があります。

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