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2024年4月11日 (木)

アスペルガーの二男は今、厳しい局面にあります。vol.3「焦りばかりがつのります」

Akatsuki203

今月の「私の履歴書」は日本製鉄名誉会長の三村明夫さんです。
4月9日の連載分では、赴任した先の課長に「人事が君を引き取れというから引き取った。だが私としては欲しくなかった」と面と向かって言われたとの記載があります。

意味が分からず戸惑ったが、課長の言葉に噓はなかった。
私は本当に何の仕事も与えられず、30代前半の若さでいわゆる「窓際族」のような境遇に追いやられたのだ。

暇潰しにしょっちゅう散歩したのが皇居前の広場だ。
当時の新日鉄本社は東京駅北側の呉服橋にあり、皇居まで歩いて10分もかからない。
天気のいい日にふらふら歩いていると、観光客に交じって私と同類らしき人もいる。
「自分はこのままでいいのか」という焦燥がこみ上げた。

日本経済新聞 三村明夫 私の履歴書(9)皇居前広場 日本製鉄名誉会長

二男と比較するのはおかしな話となります。
仕事が多く休む間もない事も苦痛ですが、仕事がない状態も苦痛という点では共通しています。

二男は教育期間が終わり、同期のみんなが派遣先が決まる中、最後の3人まで決まらない状況でした。
研修が始まってからは、大学で学んでいた事もあり一日の長がありました。
しかし、若い仲間の中では、その優位性などあっという間に失われます。

その後、派遣先との面談が行われますが、なかなか採用されません。
当時は若い時の特徴だと思いますが、根拠のない自信もあり、研修時から優位性を保っていると本人は思っていました。
必要な資格の取得について、同期入社の殆どが勉強する期間が必要と判断され、試験日が先になります。
ところが二男は、その試験を誰よりも早く挑戦する許可を得ました。
そして、合格しました。
その事で、余裕を持っていました。

同じ部屋で研修をしていた新入社員が次々と行く先が決まります。
二男は最後の3人の内のひとりとなりました。
ひとりは社内勤務が決まっています。
もうひとりは、二男曰く世捨て人。
事実上、最後のひとりです。

派遣先の要請と能力と人物が認められる事で、派遣先が決まります。
本人はその面談に緊張しながらも、何とか行く先を決めなければと焦ります。
月に1度、派遣先の社員が集まる日があります。
まだ行く先が決まらない二男は、参加は自由なのですが決まった人の様子が気になるので参加します。
そこで、大変ながらも派遣先で頑張っている同期入社の社員を羨望のまなざしで見ています。

焦りばかりがつのります。

思い描いていた状況とあまりにも違う自分に焦りと絶望が濃くなります。
幾度か候補先と面談を繰り返します。
なかなか行く先が決まりません。

面接の練習を繰り返すたびに、自分で作った回答を丸暗記するので、AIロボットが話している様になります。
加えて緊張があるので、予想外の質問が来ると硬直するか、しどろもどろになります。
今、非常に辛辣な姿勢で当たる上長も、親身になって合格へ面接のサポートをします。

そして、その日は来ました。
やっと、派遣先が決まったのです。
本人も喜びましたが、周りも家族も喜びました。
「今度、派遣先が決まったんだ」と祖父母に鼻高々に話す次男の姿がありました。

しかし、派遣先の落とし穴に落ちるのです。

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