孤独の肖像。
今の別宅は2DKです。
玄関入って右側に洗面所に洗濯機と脱衣所、その奥にお風呂があります。
先日、風呂に入る前に裸で廊下を歩いている時に玄関を凝視し、ふと思ったのです。
この玄関扉一枚を隔てて、そこは外の世界。
今、私は素っ裸。
玄関扉の先はフロアの共有空間。
今、プライベートなこの空間と外の世界を隔てているのは、この玄関扉1枚なんだと改めて思ったのです。
誰でも心に壁があります。
厚い、薄い、高い、低いと様々です。
これにはフィルターがあり、その物事により違う事があります。
人の心に土足で踏み込むという表現がある通り、アクションする側と受ける側とで大きな違いがあります。
他にも夏目漱石の草枕の冒頭に「智に働けば角が立つ情に棹させば流される」と理屈ばかりでも、感情ばかりでもと、生きる事の難しさを表現する言葉もあります。
これは心の壁が、厚い、薄い、高い、低いと人により千差万別だからだと思います。
いろいろなところから、いろいろな作用が影響するので難しいですね。
人の心を操るとか、人の心が見えるなど、メンタリストなんて人が著作も多く出版されていました。
私は読んだ事がありません。
同じ話ばかりする。
自分の話ばかりする。
よく聞く話です。
クラブやスナックで、そこでは何も関係ないのに、仕事の話をする。
特に自慢話。
他で出来ないから、利害の関係がない人にする事で心配がない。
何より、その話に反応をしてもらえる事がうれしいのだと思います。
思います…と書くのは、私はそういう場所でも、仕事の話をする事は好まないからです。
責任が重くなるほど、不用意な発言に気をつけるようにし、仕事場では特に思うままに話せなくなります。
また、感情をあらわに、感情のままに話す事が許されない事があります。
許されると思っているのは、周りの配慮であり、足元をすくわれる時はあっという間です。
しかし、そういう場所で話をし、自らの行いが評価されると、それはうれしい事です。
先ず、話が出来る、聞いてくれる誰かがいる、反応がある。
これ、とてもうれしい事です。
こんな事を思うと、我々の心の壁の薄い部分と低い部分がわかる気がします。
人の原罪が孤独を始まりとするからこそ、人の喜びも理解できるし、羨ましく思ったり、妬んだりと忙しくなります。
また、その心の弱さにつけ込む卑劣な連中がいます。
誰かの言葉で傷つく事があります。
でも、誰かの言葉で救われる事があります。
私が尊敬する人のひとりであるマザーテレサも、こんな言葉を残しています。
「私が思うのに、この世で一番大きな苦しみは一人ぼっちで、誰からも必要とされず、愛されていない人々の苦しみです。また、温かい真の人間同士のつながりとはどういうものかも忘れしまい、家族や友人を持たないが故に愛されることの意味さえ忘れてしまった人の苦しみであって、これはこの世で最大の苦しみと言えるでしょう。」
今、プライベートなこの空間と外の世界を隔てているのは、この玄関扉1枚なんだと改めて思ったのです。
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