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2024年3月

2024年3月28日 (木)

裕福な父親からもらったお金持ちへの扉を開ける鍵を捨てる。

P1010136

貨幣は人間の信用において成り立つものであり、それ自体が機能するのではありません。
材やサービスの価値の対価として認識する事が可能となる事で、その機能を発揮します。
暗い近未来を描く小説や漫画は、物々交換経済に戻り、貨幣が価値を失う場面が描かれる事があります。

貨幣の信用がある今でも、お金より大切、お金では買えないもの。
貨幣の価値、金額で示せない事があります。

最近、少し前の記事でU2の楽曲の事を書いて、その時アルバムを聴き直しました。
従いまして、またU2の楽曲に関係する事です。

I have a lover,
A lover like no other
She got soul, soul, sweet soul
And she teach me how to sing

Shows me colours when there's none to see
Gives me hope when I can't believe that
For the first time I feel love

U2 / THE FIRST TIME

僕には恋人がいる
かけがえのない恋人
彼女にはハートがあり、限りなくやさしいソウルがある
そして僕に歌うすべてを教えてくれる

道を失いそうになると、意見を明らかにしてくれる
信じることが出来なくなると、希望を与えてくれる
初めて僕は愛を感じている

U2 / THE FIRST TIME
アルバムより引用

愛する人。
愛してくれる人。
大切な人とのつながり。

絆という言葉が適切なのでしょうか。
何か、言い足りない気がします。

そして、その絆の先にも愛する人。
愛してくれる人。
家族や恋人に限らない、そんな人がいる。

楽曲中で、裕福な父親からもらったお金持ちへの扉を開ける鍵。
その鍵を捨ててしまいます。
その鍵で開けた扉の先には、自分にとって素晴らしい世界ではない。
しあわせなつもりでいる父親は、本当はしあわせではない。

楽曲のメロディに同じく、じわじわと来る感情です。
ある日突然、気がつく日が来ても。
潮が満ちる様に、その思いが、その思いで満たされて行く。

歌詞、メロディ共にシビレます。

2024年3月27日 (水)

花が咲いている事が、何になる。

P1010136

花が咲いている事が、何になる。
お腹がいっぱいになるわけじゃない。
今、目の前の事、今日を生きる事で精一杯。
花が咲いている事を認識する事なく、視界に入っても認識する事はない。

誰にでも、そんな日があります。

昨日、19時からのNHKニュースで観た内容です。

輪島市の焼け跡で見つけたヒヤシンスが生きる希望に
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kanazawa/20240326/3020019685.html

能登半島地震のあと、石川県輪島市で発生した大規模な火災で自宅を失った夫婦が、焼け跡から母親が大切に育てていたヒヤシンスを見つけ、仮設住宅に持ち帰って水につけたところ、青色の花を咲かせました。
生活再建の見通しもたたない中で、かれんな花は、夫婦にとって生きる希望となっています。

NHK 03月26日 18時44分

花が咲いている事が、何になる。
お腹がいっぱいになるわけじゃない。
今、目の前の事、今日を生きる事で精一杯。
花が咲いている事を認識する事なく、視界に入っても認識する事はない。

そう思っているのに、絶望的な環境の中から必死に生きる花の、その姿に心打たれるのです。
絶望の中から、生きるというそのエネルギーに、その姿を見る我々が感化されます。
ただ、生きる。
その必死さの中に、我々は希望を見出すのです。

義浩さんは「炎の中でよく耐えたと思います。あきらめずに頑張れと言われているような気がします」と話していました。
また、裕見子さんは「1月1日から気持ちが止まったままでしたが、生きていればまた花は咲くのだと、勇気づけられました」と話していました。

輪島市の焼け跡で見つけたヒヤシンスが生きる希望に
NHK 03月26日 18時44分

植物は種を残す事を目的に、必死です。
見る人の気持ちを癒す事など、その目的にはありません。
見る我々が、その姿に物語を重ねます。

映画「北斗の拳」は終わりに、大地に新しい芽生えがあるシーンがあります。
劇中で花は重要なキーであり、ラオウは「まだ、花の咲く時ではない」と言います。
リンが育て咲かせた花を見て「花が咲いている」と驚く人がいます。

ケンシロウとラオウの闘いが終わった後、バットとリンが荒野を歩いています。
するとその先に新しい芽を発見し、よろこびながらそこへ走って行くシーンがあります。
もう花は咲かないと思っている。
その場所に生きようとする新しい命や、けなげに咲く花に希望を見出します。

花が咲いている事が、何になる。
お腹がいっぱいになるわけじゃない。
今、目の前の事、今日を生きる事で精一杯。
花が咲いている事を認識する事なく、視界に入っても認識する事はない。

でも、花は咲いている。
今、そこで生きている。

2024年3月26日 (火)

私は便利に使っているのか、使われているのか。

P1010136

電話の普及が始まった時、電話交換手という仕事があったとの事。
電話をかける、中継所がピンで接続する作業を行い、通話相手に伝え通話が始まる。
この作業があった事から、電話が普及するにつれて、交換手が足りなくなると言われていたとの事。
ところが電話交換機が登場し、この問題は解消される事となります。

社会人になった時には、もう勤務先には電話交換手はいなかった事と各部門直接のダイヤルインでした。
英文タイプの職種の方が、「以前は受付業務で代表電話から各部門への転送だったので、その交換手をしていた」と言われた事がありました。

入社したころの話は別として、大問題になると予測されていた事が、新しい技術の登場で解消される事があります。
人類はこうした問題と数限りなく向き合い、それを克服してきたのだと思います。

先日、日経産業新聞に掲載された記事。

ソフトウエア構築において、単純作業などノンコア業務を自動化してエンジニアが開発に集中できるようにする「プラットフォームエンジニアリング」が普及し始めている。
システム開発のエーピーコミュニケーションズ(APC、東京・千代田)は顧客との会議の議事録作成や情報検索を人工知能(AI)に代替させ、エンジニアが働き、システム開発する時間を短縮した。
開発の複雑さを解決する手法として注目が集まる。

APC、プラットフォームエンジニアリングを推進
2024年2月9日

AIの普及と共に、技術者の不足が続いています。
その環境から、その生産性を向上する技術開発も余念がなく、新しい技術が問題を根本から解決する事が予測されます。
電話交換手の不足に同じです。

便利になるけれど、複雑さは増します。
便利になるという事は、面倒な事を誰かが引き受けている。
ユーザーは簡素化された技術を利用しますが、その簡素化の過程に変化はない事も多いです。
肥大化して行く技術に、誰も全体像は見えず手を加える事が、難しくなって行くのでしょうか。

私は便利に使っているのか、使われているのか。

2024年3月21日 (木)

大人になるという事。やさしさと強さを持つ事。

Akatsuki202

宮尾登美子さんの原作をもとにした映画「夜汽車」。
映画の公開当時は学生で、その内容はよく理解出来なかったと思います。
それぐらい記憶にないのです。

宮尾登美子さんの著作も、読んで少し感情移入できる様になったのはおそらく40代。
しあわせで、20歳前後の辛い人生経験もない小僧には「愛憎」や「情念」と言われて、なんのことやらだと思います。
でも今は、それ故の無鉄砲さや勢いが、今と比較にならないエネルギーとしてあったと感じています。
その時々でいいですよね。

映画は記憶にないのですが、主題歌となったクロード・チアリさんの「夜汽車」はお気に入りでした。
おそらくまだ、実家にレコードがあると思います。
長じて、その楽曲が入ったCDを買いました。

哀切この上ないメロディ。
ヴァイオリンと競い合う、演奏のエネルギー。
「愛憎」や「情念」なんて言葉を理解出来ない当時の私でも、その深さを楽曲に感じる事が出来ました。

少し話が変わります。
ジョン・レノンのアルバム「imagine」に「How?」という楽曲があります。
その歌詞に、こんな言葉があります。

How can I give love whe Idon't know
what it is I'm giving ?
how can I give love when Ijust d'ont know
how to give ?
how can I give love when love is something
I ain't never had ?

与えているものが何かも知らずに
どうして愛を与えられるだろう
当たる方法さえ知らずに
どうして愛を与えられるだろう
愛というものをもらったこともないのに
どうして愛を与えられるだろう
できっこないよ できっこないさ

John Lenon / imagine より 楽曲「HOW?」引用

知らない事。
これから知る事。
知らない方がいい事。
知っていなければならない事。

大人になるという事。
やさしさと強さを持つ事。

春分の日の休日に、夜汽車の「愛憎」と「情念」に聴いていたCDの楽曲がリンクしました。

2024年3月20日 (水)

孤独の肖像。

Akatsuki202

今の別宅は2DKです。
玄関入って右側に洗面所に洗濯機と脱衣所、その奥にお風呂があります。

先日、風呂に入る前に裸で廊下を歩いている時に玄関を凝視し、ふと思ったのです。
この玄関扉一枚を隔てて、そこは外の世界。
今、私は素っ裸。
玄関扉の先はフロアの共有空間。
今、プライベートなこの空間と外の世界を隔てているのは、この玄関扉1枚なんだと改めて思ったのです。

誰でも心に壁があります。
厚い、薄い、高い、低いと様々です。
これにはフィルターがあり、その物事により違う事があります。

人の心に土足で踏み込むという表現がある通り、アクションする側と受ける側とで大きな違いがあります。
他にも夏目漱石の草枕の冒頭に「智に働けば角が立つ情に棹させば流される」と理屈ばかりでも、感情ばかりでもと、生きる事の難しさを表現する言葉もあります。
これは心の壁が、厚い、薄い、高い、低いと人により千差万別だからだと思います。

いろいろなところから、いろいろな作用が影響するので難しいですね。
人の心を操るとか、人の心が見えるなど、メンタリストなんて人が著作も多く出版されていました。
私は読んだ事がありません。

同じ話ばかりする。
自分の話ばかりする。
よく聞く話です。

クラブやスナックで、そこでは何も関係ないのに、仕事の話をする。
特に自慢話。
他で出来ないから、利害の関係がない人にする事で心配がない。
何より、その話に反応をしてもらえる事がうれしいのだと思います。
思います…と書くのは、私はそういう場所でも、仕事の話をする事は好まないからです。

責任が重くなるほど、不用意な発言に気をつけるようにし、仕事場では特に思うままに話せなくなります。
また、感情をあらわに、感情のままに話す事が許されない事があります。
許されると思っているのは、周りの配慮であり、足元をすくわれる時はあっという間です。

しかし、そういう場所で話をし、自らの行いが評価されると、それはうれしい事です。
先ず、話が出来る、聞いてくれる誰かがいる、反応がある。
これ、とてもうれしい事です。

こんな事を思うと、我々の心の壁の薄い部分と低い部分がわかる気がします。
人の原罪が孤独を始まりとするからこそ、人の喜びも理解できるし、羨ましく思ったり、妬んだりと忙しくなります。
また、その心の弱さにつけ込む卑劣な連中がいます。

誰かの言葉で傷つく事があります。
でも、誰かの言葉で救われる事があります。

私が尊敬する人のひとりであるマザーテレサも、こんな言葉を残しています。

「私が思うのに、この世で一番大きな苦しみは一人ぼっちで、誰からも必要とされず、愛されていない人々の苦しみです。また、温かい真の人間同士のつながりとはどういうものかも忘れしまい、家族や友人を持たないが故に愛されることの意味さえ忘れてしまった人の苦しみであって、これはこの世で最大の苦しみと言えるでしょう。」

今、プライベートなこの空間と外の世界を隔てているのは、この玄関扉1枚なんだと改めて思ったのです。

2024年3月19日 (火)

通底している「生きる」が観る人をひきつける。

Akatsuki202

ゴジラ-1.0を観ました。

アカデミー視覚効果賞の受賞で、シネコンも上映回数と時間が増加しました。
これは喜ばしい事。
またゴジラ…と言われる事を、大きく跳ねのけるストーリーと映像の素晴らしさだと思います。

私にはもう一つ。
終戦時に残存していた連合艦隊の「雪風」「響」が登場する事。
史実とは異なりますが、重巡洋艦「高雄」が修理されて、その雄姿を現す事。
そして「震電」。
ここにもし「大和」が…と関係のない想像が膨らんでしまいます。

ストーリーとは関係なく興奮したこの部分を除いて、通底している「生きる」が観る人をひきつけたと思います。
核心に触れる部分があるので書きません。
でも、焼け野原で、戦闘機で、日々の生活で、「生きる」という強い意志が通底している事が、この映画の大きな魅力です。
「生きる」を反対色で鮮明にする様に、「今度は死んで来いという命令でない」とか、「生きて帰れる」などの台詞が記憶に残りました。

2024年3月18日 (月)

ローザ・パークスにささげた「Pride (In The Name Of Love)」

Akatsuki202

1955年12月1日の出来事。

アメリカでは、まだ公民権法が施行される前で、黒人と白人の間には明確な差別が存在。
そのような環境下、当時公共交通機関であったバスは、前席が白人専用、後席が黒人の指定席だったとの事。

その日、白人の席は満席だったため、白人の運転手が黒人席の最前列を空けるように言ったのです。
そこに座っていたのは、ローザ・パークスという黒人女性でした。

彼女はその要求を拒否。
逮捕されてしまいます。

この不当逮捕から、黒人がバス乗車のボイコット運動を始めます。
たったひとりの彼女の闘いが、やがて全米を巻き込み、公民権法の施行へとつながってゆきます。

最初は、彼女のたったひとりの闘いでした。

いつ、エキサイトな事が起こるか、人生はわからないです。
私たち誰かの一挙手一投足が、世界を変える始まりになるかもしれません。
ローザ・パークスの人生も、大きな変化が始まります。

毎日、同じ事の繰り返しだと思っていた生活が、ある日突然変わる。
生きている事が、誰かの生きる希望になる。
人生はわからないです。

本日通勤時のBGMはU2がローザ・パークスにささげた「Pride (In The Name Of Love)」でした。

2024年3月11日 (月)

月曜の朝は、気持ちのエンジンを全開にする燃料が必要です。

Akatsuki202

朝の通勤時、気分が明るくならない。
なんとなく行動よりも思考が先行し、堂々巡りを繰り返す。

そんな時、様々な音楽を聴いて気分転換する事があります。
その中で頻度が高く、よく聴く楽曲があります。

モーツァルトの交響曲第41番第4楽章です。

上がる音階が繰り返され、いくつものメロディが重なる。
これがモヤモヤする気分を払ってくれる時があります。

もう1曲というか2曲
Scorpionsがベルリンフィルと共演したアルバム。
私にすると大好物が2つ一緒になった、スペシャルなプレートディナーみたいです。

アルバム「Moment Of Glory」の「Crossfire (Instrumental)」と「Deadly Sting Suite (Instrumental)」です。
派手に振り切りすぎている部分がありますが、それがまた気分が上がらない時は私にはいいのです。

メタリカのアルバム「S&M」もいいですが、ベルリンフィルとの闘いの様なこの楽曲が好きです。
車の中でこの楽曲を聴いた二男も気に入りました。
「ゲーム音楽の様だ」と言っていましたが、そういう部分もあるなと思います。

月曜の朝は、気持ちのエンジンを全開にする燃料が必要です。

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