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2024年1月

2024年1月25日 (木)

私が森雪の親父なら、そりゃないだろおまえ…と思います。

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昨年末、宇宙戦艦ヤマトの4Kリマスターシリーズを映画館で観ました。
幼い頃、映画館では観る事がかなわず、ついに積年の思いが、思わぬ形で実現する事となりました。

仕事が終わってからのレイトショーです。
なぜか鑑賞中に、少し寝てしまいました。
仕事は少し、スケジュールが詰まっている状況でした。
レイトショーを観に行く事は出来ます。
疲れていたのか…。
ワクワクしていたのに…。

以前とは観る視点が変化している事に気がつきました。
幼い頃は、古代進の視点です。
しかし今般は、艦長の沖田十三の視点で観ている事が多い事に気づきました。
どんな危機にも、決してあきらめる事なく、絶望をしない。
その沖田十三の姿に、新たな魅力を見出し、やっぱりこの物語が好きなのだなと改めて思いました。

特にイスカンダルに到着して、全員にお礼を言う場面。
自身も事業年度末などに、仲間にいろいろ伝える事がありますが、これが原点なのかな思いました。

宇宙戦艦ヤマトの美しい姿も好きです。
これと波動エンジンの音が好きです。

そして年明け。
こちらも幼い頃、映画館では観る事がかなわず、ついに積年の思いが、思わぬ形で実現する事となりました。

母方の祖母に物語のカセットテープを買ってもらい、いろいろな本に特集されるのを眺めていました。
懐かしい。
映画を観に行けた友達が羨ましかったです。

こちらも視点が変わっていました。

先ず、森雪の気持ち。
結婚式を数日後に控え、楽しみにしている。
ところが、旦那は宇宙の危機と叫んで仲間を募り、さあ行こうと拳を振り上げている。

私が森雪の親父なら、そりゃないだろおまえ…と思います。
娘が不憫です。

古代進は森雪に「わかってくれ」と言います。
森雪は理解を示しますが、ふざけるな、理解は示しても納得は出来ない…だと思います。
この辺りは、昭和のベビーブーム世代が作るので、昭和の親父感が満載です。

加えて、森雪は戦場で亡くなってしまいます。
え〜っ、ちょっと不幸が満載過ぎませんか?

それから仲間が次々と亡くなって行く。
これは幼い時にテレビで観た時も驚愕でしたが、大人になるとなお更に辛いです。

とどめには、自らの命を犠牲にする。
松本零士氏が「若者が死んではいけない」と言ったとか、言わなかったとか。
反物質の人がお役に立つなら、その人だけではダメですか?

最後に「やっと二人きりになれたね」って、そんな気あったんですか?
心に疑念が…。

でも、当時の物語のスケールに驚愕した事。
アンドロメダとか、新しいメカに狂喜した事。
どんでん返しが続くストーリー。

これはやっぱり楽しく観ました。
今でも、超巨大戦艦が現れた後、古代進とズオーダ大帝のやり取りを、一言一句再現出来ます。

テレビで放映した宇宙戦艦ヤマト2は映画と異なる結末でした。
地球人が降伏を決めて使節団が彗星帝国に向かう直前、ヤマトが現れます。
それは今でも、心に残るシーンです。
この版は仲間を多く失いますが、若者が生き残ります。

やっぱり、私は宇宙戦艦ヤマトが大好きです。

宇宙戦艦ヤマトは私の青春です。

2024年1月23日 (火)

「ジョンの魂」 (John Lennon/Plastic Ono Band)が聴きたくなりました。

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BEATLESが新曲を発売した事や、NHK映像の世紀バタフライエフェクトで特集された事の影響かもしれません。
昨年末、別宅から自宅に戻り、「ジョンの魂」 (John Lennon/Plastic Ono Band)が聴きたくなりました。

このアルバムのジャケットが好きです。
それは、そこにとても穏やかな空気が流れている。
私には、そんな気持ちになる写真なのです。

反して、アルバムは独白そのもので、孤独への叫びでいっぱいです。
孤独の原点を求めるような、その内容は聴く時と聴く覚悟を迫ります。

だから、自らを欺くことをせず、自らに正直に向き合い、苦しみの原点が孤独である事を知る。
例えれば、病気は何の病気かわからない事がいちばん不安ですが、特定されれば治療の方針が決まり、それはひとつの安心になります。

このアルバムを作る前に、心理療法を受診していたとの事。
そうして、過去から自分と向き合う事を始め、まさに魂の叫びとなる作品になったのだと思います。

自分で自分の心に向き合うには大変な事。
わかっていても、見ないふりをしてきた事を、避けられなくなるのは辛い事。
特に孤独だったり、さびしかったりする自分を見つめる。
それを認める。
辛い事であり、怖い事でもあります。

そして、だから聴く方にも覚悟を迫ります。

ジョンレノンの生い立ちに重ね、アルバム冒頭は「Mother」です。
歴史を感じさせる、そんな鐘の音です。
楽曲の内容を暗示する、哀しさを感じます。
お母さん、お父さん、いかないで…。
大人が、特に日本人の感覚だと、ストレートにこういう表現は出来ないと思います。

このアルバムが発売された頃は幼児です。
中学生でヘヴィメタルが大好きだった時、このアルバムの魅力は理解する事が出来なかったと思います。

この世には、よろこびもうれしい事もたくさんある。
だけれども、同じ数の哀しみや孤独、さびしさがある。
少し大人になってからわかる、このあるアルバムの良さがあると思います。

哀しみや孤独にさいなまさせる時、卑劣な連中がその心の隙に入り込もうとします。
何かに依存しても、一時忘れる事が出来る方法があっても、解決は出来ないです。
自らの孤独や哀しみ、苦しも、分かち合い、理解は出来ても、自分の心以外の場所に、その問題を解決する指示書を持つ人はいません。
より苦しみは深くなります。

そんな時、自分と同じ哀しみや苦しみで、とてもさびしい気持ちでいる。
苦しんでいる。
もがいている。
そんな人がいる。
でも、がんばっている人がいる。
それを感じる事が出来たら、どれだけ勇気づけられるでしょう。

こんな思いは自分だけではない…。
その時、わずかでも孤独は癒される。
そんな思いをさせてくれるアルバムです。
そんな思いが心に浮かびます。

ジャケット写真が示すように、誰かと何気ない会話が出来る。
何かを与えたり、何かを犠牲にしなければならない時間ではない。
他愛のない会話と穏やかに流れてゆく時間。

誰にでも、大切な時ですよね。

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