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2023年10月

2023年10月31日 (火)

彼の本当の哀しみをわかっていたのは、あの人だったかもしれない。

Akatsuki198

彼の本当の哀しみをわかっていたのは、あの人だったかもしれない。

三島由紀夫の小説「金閣寺」
読んだのはずいぶん前ですが、金閣寺に火をつける主人公が、精神的に追い込まれていく様は迫力でした。
迫力というより、怖い。
迫力でしたと書くのは、それが実際にあった事件である事を、当時は知らなかった事によります。
金閣寺が消失した事は知っていても、その背景は知らなかったのです。

先日、NHKのアナザーストーリーで、実際の金閣寺焼失の事件を取り扱っていました。
犯人の林養賢の生い立ち、実際の事件経過とその後の家族の事。
林養賢の人物像を語る、幼馴染や周辺の人々。
そして、林養賢の師としての、金閣寺住職の慈海の事。

金閣寺の再建に取りかかる慈海住職。
托鉢から始め、その姿に人々が動き出す。

林養賢は心を病み、病気でこの世を去ります。
この間、慈海住職は林養賢に差入を続けます。

林養賢が亡くなった後、事件後に投身自殺した林養賢の母親と共に戒名をつけ金額時で供養します。
放火焼失事件の事を聞かれても、「私の不徳です」と、それ以上の事は語りません。

苦しんでいた、林養賢のその哀しみを、金閣寺を放火焼失させるという事実まで、気づいてやる事が出来なかった。
その事実があって、初めて弟子であった林養賢の本当の哀しみと苦しみを知った。

彼の本当の哀しみをわかっていたのは、あの人だったかもしれない。

遠藤周作の「イエスの生涯」
この中、ユダの記述が多く書かれています。

ユダと言えば、裏切り者の象徴。
しかし、「イエスの生涯」の中では、イエスの弟子の中で、唯一師の本当の苦しみを理解していたのは、ユダだったとあります。

なぜ、嘲りを受け、誤解と裏切りの中で、イエスは死なねばならなかったのか。
その本当の理由を知ったユダは、生きてはいられなかった。

彼の本当の哀しみをわかっていたのは、あの人だったかもしれない。

人の世の、繰り返されるこの哀しみに終わりがあるのだろうか。
絶望しそうになる、その時、それを終わらそうとしているのも、この世の人である事。
その事に、勇気が湧いてきます。

*文中敬称略としております。

2023年10月30日 (月)

私の故郷にメロディーは、あるのでしょうか。

Akatsuki198

私の故郷にメロディーは、あるのでしょうか。

松山千春さん楽曲「人生の空から」
発売された当時、珍しい2枚組で4曲入のシングルの1曲でした。
この曲のイントロは特徴的で、FM放送で聴きましたが、すぐに心奪われました。

ジャケットの道路に座る松山千春さんの姿が、知らない北海道を象徴する道路の様子とは、勿論当時は知りません。
あれは、旭川辺りなのでしょうか。
自分で走り、なんとなくなるほど…と勝手に思う次第でした。

他に楽曲「帰ろうか」

帰ろうか 帰ろうか まだ寒い北国へ
だけどそこには 僕の愛した人がいる

帰ろうか / 松山千春

故郷を思う松山千春さんの、その風景が浮かびます。
北海道の広い道路を走りながら、その風景を思いました。
足寄という地名は「あしょろ」とは。なかなか読めません。

Akastuki196

中島みゆきさんのアルバム「Goodbye Girl」の終曲である「吹雪」
このイントロは迫力ですが、低い声で抑え気味に歌う中島みゆきさんに迫力を感じます。
また、作り手の意思は計り知れませんが、歌詞が様々な事を示唆していると、聴いている側に迫ります。

私は「吹雪」が雪の日に自分で運転して走った、積丹半島の国道の景色と重なりました。
当時、報道で注目された事があり、その事が余計にイメージを膨らませました。

疑うブームが過ぎて 楯突くブームが過ぎて
静かになる日が来たら 予定どおりに雪が降る

吹雪 / 中島みゆき

Akatsuki199

贈答品として、「國稀」を買い求めに行った時の事。
留萌(るもい…これも読めなかった地名)地方の増毛町(ましけ…これも難しい地名)。
到着したのが、夕刻であり天気は雨となっていました。

ここは、映画「駅 STATION」 の舞台になったところ。
映画を観た頃は幼くて、よく物語も理解できませんでした。
改めて見直し、倉本聰さんの作品に唸りました。
物語なのに、人生の不条理を、男女の愛憎を。

鉄道は廃線となっていましたが、駅舎などは残してあるとの事で、立ち寄りたかったのですが間に合いませんでした。
でも、そこの空気を感じる事が出来たのは嬉しかったです。

Akatsuki197

竹内まりやさんの道ならぬ恋の楽曲、例えば「マンハッタン・キス」には絶対重ならない風景です。
「シングル・アゲイン」は、近いけれど利用された番組の影響で、岸壁の風が強い風景が浮かんでしまいます。
「告白」…。
ところで、竹内まりやさんの楽曲に、少なからず道ならぬ恋の楽曲が多いのはなぜでしょうか。

話がそれました。

転勤で札幌に住み、北海道各地を仕事で出かけていました。
それ以前に北海道へ行ったのは、道東に取引先との接待旅行ぐらいでした。

暮らして、すっかり魅了されました。
桜木紫乃さんの小説にもどっぷりと漬かり、多くの著作を読みました。

ドヴォルザーク交響曲第9番「新世界より」の第2楽章。
私が小学生の頃に歌わされた「家路」とうい楽曲に編曲されています。
この第2楽章は、アメリカ滞在中のドヴォルザークが、インディアンの民謡や黒人霊歌にもヒントを得ているとの事。
楽曲を生み出す、その土地の環境は思いの中に影響される事が、あるのでしょうかね。

私の故郷にメロディーは、あるのでしょうか。

2023年10月26日 (木)

恋に恋する頃の、小学6年生が聴いたなら。

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恋に恋する頃の、小学6年生が聴いたなら。

現在は知らないのですが、小学6年生の音楽の授業で、グリーグのピアノ協奏曲イ短調作品16を聴く授業がありました。
短い授業時間なので、第1楽章だけで、それも中盤まで。
その時、初めて聴きました。
授業時間の事もあり、全部という事にはいかなかったですね。

印象的な楽曲ですから、記憶に残っていました。
ただし、その冒頭部分だけ。
そして、この楽曲が忘れられなくなるのは、その少し先の事です。

SONYのウオークマンⅡのCM曲に使用したのです。
あっ、これ。
小学生の頃から、使わずに使用していたお年玉を使って、そのウオークマンを購入しました。
新宿のお店で格安で販売される事を、おふくろが教えてくれた事も覚えています。
特売のピンクの台紙だったチラシまで、なぜか覚えています。

このウオークマンにデモテープが付属していました。
それが、CMでも利用したグリーグのピアノ協奏曲イ短調作品16だったのです。
テープには、第1楽章の中盤部分までが入っていたと思います。

魅了されました。

すぐに探しました。
FM放送の番組表で、オンエアされる日を見つける事が出来ました。
心待ちににし、カセットで録音の準備をします。

第1楽章は、こう続いてゆくのか。
第2楽章の甘美なメロディー。
第3楽章の壮大な終わり方。

繰り替え返し聴きました。

6歳下の妹まで、この楽曲が教科書にあり、授業で聴いたそうです。
習い事としてピアノもやっていた妹は「短調の曲は暗いから…」と好きでないと言っていました。

授業には、時間制限と必修の事項がある事は承知の事です。
50分の授業でなら、全曲を聴く事が出来ます。

例えば、第2楽章は好きな人の事を思いながら、聴いてみて下さい。
…と言って聴かせたら、どう感じるか。
この第2楽章はグリーグが新婚生活の中で、充実した毎日を過ごしながら作られたそうです。
それなら、そういう前置きをして、恋に恋する頃の小学6年生に聴かせたなら、感じ方が違うと思います。
この第2楽章は効くと思います。

ベートーヴェンの運命も、第1楽章だけでなく、闘争からの勝利となる第4楽章までを聴かせると印象が変わると思います。
ヴィヴァルディの四季も、春だけでなく、夏や冬を聴く事で、授業というイメージが薄くなると思います。
今でも、様々な映画やドラマ、番組でアレンジが異なるをものを含め使用されています。
そこから音楽へのイメージが膨らみ、変わる事が、とても人生を豊にすると思うのです。

授業が様々なきっかけとなるならば、音楽の授業は感受性の豊かな人を育てる、所期の目的を達成できます。
文部省さん、どう思います?

恋は、人をいちばん成長させるそうですよ。

2023年10月25日 (水)

石が入った靴をそのまま履いている様な気持ち悪さ。

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そんなに早く大人になる必要があるのか?

書籍「LIFE SHIFT(ライフ・シフト)」のシリーズは、2冊とも読みました。
長生きする様になったのだから、仕事人生だけでは後半戦はつまらないですよ。
極端に要約すると、こういう内容だなと思いました。

確かに、この書籍を読みながら、
定年後は何をするかな…。
会社の看板を外したら、自分に何が残るか…。
友人と呼べる人が、どれだけいるのか…。

今、時間や〆切を意識しながらの毎日。
毎日追われています。
これに、時間や〆切の制限がなくなったら、紐の切れた凧みたいになってしまうかもしれないな。
そんなつまらない事を、ふと思う事があります。

勤め先なんて、参考になっても、効力はありません。
これまでも、自治会の集まりなどで、〇〇で部長してました…なんて自己紹介がありました。
わかりやすい説明ではありますが、こういう風にはなりたくないなと思った事があります。

今、仕事でも過去の経験を事例として話す事はあっても、武勇伝にはならない様に気をつけています。

人として、どう生きるのとか、なんのために生きているのとか、哲学者ですら回答出来ない命題を突き付けられていると思います。
それも若い頃から。

回答がない事、回答出来ない事。
それも回答です。
どうにも、それを許してくれない風潮があります。

そういう気持ちに、迷う悩む気持ちにつけ込む連中もいます。
周りに理解してくれる人もいないから、どうせ誰もわかってくれないと孤独になる。
絶望する。
その隙間に、その気持ちから一時だけ解放されるものを提供し、苦しみから解放されたと見せかける卑劣な連中がいます。

書籍「LIFE SHIFT(ライフ・シフト)」のシリーズは、これまでの価値観と尺度では、測れなくなりますよという事もあります。
書籍「ホモ・デウス」でも、不死を手に入れる人類が、どこへ向かうかの問題提起があります。

悩む人がいて、追い込む人がいて、陥れいる人がいて、提言をする人がいる。

高校生の私の写真を見て、妻が「尖がっているね」と言った事があります。
それは、目つきの事。
人として、どう生きるのとか、なんのために生きているのとか、思春期から始まるそんな悩みの渦中にある事が表れていたのだと思います。

答えが無いと、苦しい。
なんだか、石が入った靴をそのまま履いている様な気持ち悪さは、確かにあります。
答えがない事、それも答えだと誰かがささやいてくれたら、人生100年はもっと楽しくならないかと思います。

幼い頃から、受験勉強で志望校合格へ努力する。
今はそれでいい。
でも、それがゴールでない事を知っていたら、違う道を思う時、絶望はしないのではないだろうかと思います。
勝つとか、負けるとか二律背反…なんて単純な言葉で、解決しなくてもいい場面が必ずあります。

勝ち組と負け組。
〇〇出来る人と〇〇出来ない人。
出世する人と出世しない人の差。

いろいろな事は、そんなに単純に区別は出来ません。
便宜上、そうする事がわかりやすいから、そう区別するのだと思います。
わかりやすいからです。

映画「ムーン・ライト」の中で、孤独な少年に、自分の面影を見た薬の売人が言います。
「自分の人生は、自分で決めろ。他人に決めさせるな」
それは、まやかしを見極め、自分の人生を自分で生きろ…という事と私は思いました。
なぜなら、それが後悔をしない事だ…と伝えたのです。

答えがない事、それも答えだよ。

そんなに早く大人になって、答えを出す必要はないです。
答えを探す事、その事がきっと自分なりの答えを引き出すと思うのです。

答えがない事、それも答えなのだから。

2023年10月24日 (火)

もしも励ましになるのなら、いくらでも応援の記事を書こう。

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もしも励ましになるのなら、いくらでも応援の記事を書こう。

数日前に書いて記事にある通りですが、仕事上の失敗で二男は結構なダメージを受けていました。
自分との比較は意味がありませんが、私は失敗が多く、もう数えきれないのが現実です。
覚えきれないというか、忘れてしまったが近いです。
しかし、その時の痛い教訓が活きている事もあります。

二男曰くは、1週間に二度も怒られる(改善の指摘を受ける)は、ショックな様です。

指摘を受けた、その事が自分でも認識がなかった模様です。

小学生の頃から、鼻歌が止まらない。
自分では歌っている認識がない。
ひとり言が、止まらない。
同じ職場の人は、話かけられているのか、ひとり言なのか困惑する。
この事を職場の別の方から本社宛に問い合わせがあり、本人が指摘されました。

アスペルガーが故の独特な事もあり、本人から初めてカウンセリングへ行こうかと考えているとの話がありました。

自分の気づかない事を教えてくれる誰かがいる。
客観的な指摘をしてくれる人がいる。
話を真剣に聞いてくれる人がいる。

そういう環境があるのは、大切であり、恵まれている事だと思います。
肉親は心配で、話が詰問調になったり、命令口調となる事があります。

日本経済新聞の1面コラム「春秋(2023年10月21日)」に、掲載された内容です。

20年ほど前、あるフリースクールを取材したことがある。ダンスを踊りながら覚える九九。絵の具まみれになって描く美術。よくあるのとはちょっと違う、でも子供が中心の教室だった。「どこから来たの」「僕らの記事を書くの」。子供たちからは質問攻めにあった。

子供らしい生き生きとした感じが、伝わってきます。
安心して、様々な事に取り組む環境があるのだと思います。

▼印象に残ったのが、社会の偏見を薄めたいと奔走する大人の姿だ。積極的に情報発信したり、行政との相談を繰り返したり。公教育の否定ではないんです、別の居場所が必要なだけ。そう懸命に訴え続けていた。多様な学びの場を認める教育機会確保法の施行は2017年。それは長く地道な努力の積み重ねの上にあるのだ。

人は学び、変わり、強くなって行きますよね
そして、強さは他人へのやさしさに変わります。

誰でもが社会の一員となって行く過程で、その関わり方は違います。

ミサイルのように急角度で飛び立てる人。
戦闘機のように早い人。
プロペラ機のように、ゆっくり、緩い角度で飛び立つ人。

▼滋賀県東近江市長がフリースクールを巡り、国家の根幹を崩しかねないと発言したという。「大半の善良な市民は嫌がる子供に無理してでも義務教育を受けさせようとしている」とも。そんな市民が大半だとも、善良だとも寡聞にして知らぬ。意見表明は自由だ。ただ時計が随分前に止まっていないかは気にした方がいい。

市長さんが幼い時と、決定的に違う事がひとつ。
昔と比較して、地域のコミュニティを保つ事が、とても難しくなっている事だと思います。
記憶にある事ですが、中学生の時、下校途中でケンカとなりました。
場所は畳屋さんの店の前。
大ゲンカとなりました。

その時、畳屋の親父が店から飛び出してきて「こんなところで、ケンカするんじゃねぇ」と怒鳴られました。
「ケンカするな」ではなく、「ここで、ケンカするな」です。
今なら、直ちに警察に通報されます。

他人の子供も、自分の子供も、地域の子供としての意識は極めて低くなっています。
何より、自分がそうです。
そして、狭い世界に親も閉じ込める事で、親も行き詰まります。
それが、虐待につながったりします。
地域のコミュニティで、いろんな事を自然と肩代わりしたり、担ったり、その世界が欠落しています。

▼子供に留守番をさせたら虐待、という目をむく条例案が飛び出した県議会もあった。公の立場にある人々が、安易に「親の責任」を言いつのる。それが当の子供たちをもどれほど傷つけていることか。学校へ行くのがつらい君たち、無理にがんばることはない。もしも励ましになるのなら、いくらでも応援の記事を書こう。

最後の二文節は、ジャーナリズムへの期待と気持ちが減退する自分の気持ちの中に、仄かに灯りがともりました。

2023年10月23日 (月)

失敗したくないんです。

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失敗したくないんです。

まだ、営業部で先輩と呼ばれる、若い頃の話です。
後輩からデートプランの相談がありました。
バブルが青春。
任せとけって…という感じで、いくつかプランを提案しました。

綿密なプランもいいけど、ハプニングがある方が思い出になるんじゃないのと話しました。
せっかくのデートなので、コスパにタイパは重要。

失敗したくないんです。

力説されました。

私がいい加減なのかもしれません。
デートで失敗はハプニング。

選んだレストランの料理が不味い。
映画がつまらない。
交通に障害が発生し、予定通り行かない。
プレゼントに予定していた商品が売り切れ。
店が不定休で、訪問した日は休み。
天気予報がはずれ。

ちゃんと確認しておかない自分の事は棚に上げ、それが良い思い出になったりします。
また、次は必ずね…なんて、約束を取り付ける事も出来ます。

2023年のノーベル生理学・医学賞を受賞することが決まった米ペンシルベニア大学のカタリン・カリコ非常勤教授と同大のドリュー・ワイスマン教授が、記者会見をしました。
カリコ氏は
「実験をしても、思い通りにいかないことが多い。科学の世界では失敗したときに対処する力を身に付けるのが重要だ」
と話しました。

これがデートプランというか、男女の仲でも大事な気がします。
何か挽回作を用意しておく事も有効ですが、予定通り行かなかった事を笑い飛ばしてしまう。
次回への期待につないでゆく事が、いいと思います。
例えばそれを、誰かへの怒りに変えるとか、ずーっと文句を言っていては、一緒にいる相手が幻滅します。

ふたりは、大学内のコピー機を使うための列に並んでいた時に始めたあったそうです。
働いている部署も建物も違ったそうですが、待ち時間で、お互いの担当分野を組み合わせた研究ができると気づいたそうです。
カリコ氏は「いろんな人が話し合いするために大学にはもっとコピー機を置く必要があるかもしれない」と話したとの事。

まさにハプニングというか、予想しなかった事は、こんな時に起こるのですね。

何事においても、失敗は付き物です。
でも、いろんな人に怒られるのも嫌だし、恥をかくのも嫌だ。
失敗したら、すぐに切り替えろと言われても、それが出来るなら苦労しないと考えてしまいます。

以前にも書きましたが、アメリカの弁護士さんが言った通り「過去は変えられないが、これから起きる未来には作用できる」とのお言葉。
失敗は準備と予測を行い、最善を尽くして起きない様にする。
でも、起こるものと捉え、その不測の事態が発生した場合にどう対処するかを考える。
そういう場合もあると、織り込んでおく。

カリコ先生の言う通り、対処する力を身に付ける。
過ぎたるは及ばざるがごとしですが、準備と経験が必要なのですね。

2023年10月20日 (金)

音楽は心の支えになります。

Akatsuki195

昨日、TBSのモニタリングという番組を、洗濯を干しながら見ていました。
スキマスイッチが正体を隠して歌い、最後に本人でした明かすドッキリです。

正体がわかっているのか、わかっていないのかは別として、その歌を聴きながら泣いている人がいました。
音楽で、歌で、人を感動させられる。
素晴らしい事だなと思います。

先日の記事でも少し触れましたが、我が家の二男が勤め先の本社に呼び出されました。
それは、仕事中の鼻歌と不規則な発言の事。
同じ職場で働く方々には奇異に映った様です。

鼻歌は子供の頃からで、小学校の先生に指摘されていました。
余裕がなくなると、一種パニック状態で、深いため息やひとり言の嘆きなどの不規則発言が出ます。

やっぱり、これを指摘され、派遣されている職場の更新はされない事となりました。
本人もお小言を頂戴し、反省。
しかし、そういう態度があった事は、無意識にしている部分もあり、認識していません。
本人のアスペルガー症候群の、ひとつの特徴でもあります。

話がそれました。
幼い頃、チャリンコで冒険に出かけます。
それは知らない場所です。

そんなところで不安になると、よくウルトラシリーズの主題歌を歌っていました。
恐怖心を抑える事。
冒険から家へ帰ってくる事が出来ると、その達成感を感じて歌ったいました。
ウルトラシリーズではありませんが、マジンガーZがリメイクされ、その主題歌がリニューアルされました。
その主題歌をCMで聴いただけで、全身に電流が走りました。
50歳を超えているのに。

音楽は心の支えになります。

アーティストが作った歌詞は、必ずしも自分と同じシチュエーションではないかもしれません。
でも、歌った内容が、自分の心象と同じであれば、共鳴し心が震えます。

モーツァルトとも、ベートーヴェンも、その楽曲へ込めた思いは、知る事は出来ないし、本当の意味は理解できないです。
ディープパープルの叫びも、ジョンコルトレーンの鬼気迫る演奏も、作り手の本当に意味は、きっと理解できないです。
でも、自分の心が震えたのなら、それでいいのです。

私はもっぱら聴く専門ですが、音楽を作り出す人、音楽を奏でる事が出来る人を尊敬します。

人の心を震わせる。
人の心の支えとなる。
人の心を勇気づける。

素晴らしいです。

最近は歌う機会はありませんし、求めませんが、カラオケでロックンロールすると、酔っぱらい扱いです。
次は何を歌います?と聞かれる事がなくなります。
酷いんだな。

2023年10月19日 (木)

そうだよねって、思います。

Akatsuki195

中学1年生の頃、従妹のお姉さんの影響があり、さだまさしさんに夢中になっていました。
「関白宣言」に、LPサイズでシングルという、当時では常識破り「親父のいちばん長い日」などです。

この時、よく比較になっていたのは、松山千春、アリス。
だいたいこの3派にわかれていた気がします。

松山千春さんは知らないですが、アリスというか谷村新司さん、さだまさしさんはラジオ番組のパーソナリティーでした。
私はさだまさしさんの番組を聴いていました。

勿論今でも、さだまさしさんのお話は面白いと評判ですが、その当時も面白いです。
上手によどみなく、おもしろい話が出来る事を、すごいなと思いながら楽しんでいました。
どうしたら、自分はこんな感じで話せるのか…と思っていました。

まだレンタルレコードが出始めた頃。
それでも、中学生のお小遣いでは、レンタルできる枚数は限られます。
様々な音楽情報はFM放送が中心で、そのFM放送ための雑誌を購入していました。

この頃からラジオは楽しくて、AM放送ではオールナイトニッポンでした。
ハードロックやヘヴィメタルが中心になっても、鶴光、中島みゆき、とんねるず、ビートたけし(全て敬称略)と楽しんでいました。
寝不足です。

とても楽しそうで、その楽しそうな雰囲気が、電波にのって伝播してくる。
一緒になって笑うと仲間になった様で、楽しくなる。
家族中が寝静まった家のベットで、ラジカセからイヤホンを伸ばして聴いていました。
多感な時期で、いろいろあったけど、それを忘れて楽しめる時間だったのです。

ラジオには、自分と同じ様な人が必ずいて、ひとりじゃないと孤独が癒されました。
夜の闇のどこかで、同じ思いで同じ放送を聴いている人がいる。
顔も年齢も、住んでいるところも知らないけど、同じ思いの人がいる。

面白い話が書ける自信がなく、何度かハガキを書きかけては、止めました。
一度、話を盛って、ハガキは完成させたけど面白くない。
そりゃそうです。
楽しい事なんて、なかったし、自分から見つけられなかった日々なのだから。

アリスは、ちょっと先輩たちが好きでした。
天才、秀才、バカは本で、おもしろく読んだ世代です。

谷村新司さんの訃報に、さだまさしさんの言葉。
「俺は信じない。何度か電話しても出ないから、どっか旅に出たに決まっている」

そうだよねって、思います。

2023年10月18日 (水)

社会人になった二男がパニック!

Akatsuki195

二男は本年の4月から社会人。
就職から半年が経過し、仕事にも慣れ、業務の要領も得てきていました。
そこに落とし穴がありました。

業務中に居眠りしました。

それを同じフロアで仕事をしている、別の会社の方にツンツンとされて目を覚ましました。
不覚。
本人は目を覚まし、起こしてくれた人にお詫び方々、お礼を申し上げます。

ところが、この事は本社の上司が知る事となり、本人は明日本社への出社を求められました。
それから、一種パニック状態で、以降の作業では、その不安が態度に表れていた模様です。

同じ職場の先輩から、帰宅途中のスマホにショートメール。
「ひとり言とソワソワと、他の人に迷惑」

どうしようとか、ため息とか、してしまった失敗への後悔が渦巻きます。
それが、職場で舞台のように表現し、周りに迷惑となります。

クビになるのだろか…。
職場を異動させられるのか…。
また、研修に逆戻りなのか…。

本人から相談がありました。
そこでのアドバイスは以下の通りです。

上司からのお小言は頂いてきなさい。
こんな事では、クビにはならない。
居眠りは申し開きは出来ない。
素直に詫びる事。
社会人として、自身の健康管理に問題があったと認める事。
(どうも、前日遅くまでスマホでごにょごにょしていたらしい…)
慣れてきて緊張感を失っていた事。
そして、今後は今回の事を戒めとし、繰り返さない様に務める事。

同じ職場の先輩には明日出社したら、昨日は取り乱しましたとお詫びする事。

サラリーマンは失敗はつきもの。
他にも理不尽な事で、つまらない思いをする事も多々ある事。
今後もあると覚悟する様に、話しました。

本人は、学生時代に友達関係が破綻したりした事と結びつき、怖くなってしまったようです。
アスペルガーのひとつの傾向である、時間軸の捉え方が、嫌な記憶と共に一気によみがえってきます。
どうして自分はダメなんだと、自分を責め始めます。
パニックで、前後左右を見失います。

説明をしたので、本人は少し落ち着きました。

上司は17時に本社へ来るように話しているとの事。
大方、お小言の後に、一杯やって帰ろう…そんな事でないかと私は考えています。

2023年10月17日 (火)

ニュースは、不安な事ばかりです。

Akatsuki195

雨の週末は、なかなか外出も出来ず、別宅におりました。
テレビも興味のある番組はなく、撮りためていた番組を観ていました。

ニュースは、不安な事ばかりです。

音楽を聴いていました。
どうして、こんな気分でそんな選択。
モーツアルトのピアノ協奏曲第20番です。

凡人には想像しえない範囲ですが、いったい何が見えていたのでしょうか。
モーツアルトのピアノ協奏曲で短調なのは、この第20番と第24番だけ。
強い表現の中に、何が見えていたのでしょうか。

この第20番は発表時から高評価で、とても評判になったとの話を読んだ事があります。
これまで、なかった表現で、人の心にある様々な思いを呼び覚ますのだと思います。
自分でも認識していなかった事を、何かをきっかけにして自覚する事は、誰にでもある事です。

シューベルトのピアノソナタ第21番は、その時々の自分に様々な思いを抱かせました。
病気と闘いながら苦しい中作曲されたこの楽曲が、生きる事の喜びと、生きる事の苦しみが同居している様に私は感じるのです。

特に突然の休符。
立ち止まる様に、楽曲が止まります。

ここに生きる事の深淵を感じるのです。
暗い世界の一本道を一人で歩く途中、突然立ち止まって思う。

生きる事は苦しいけれど、でもそれ以上の喜びもある。

しかし、今この世界には、明日を知れぬ今を生きている人々がいる。
自分の今と、その世界が存在している事に、混乱する事があります。

休み明けから、仕事の予定がまた多くあります。

誰もいない実験室 彼を見かけたのよ
おりの中の動物たちに 悲しげに話しかけていた

Never told you but i love you 変わっているいけど
Never told you but i love you 今すぎ抱きしめたい

みんな気づかないの 彼のステキなとこ
1番大切なことをきっと 誰よりも知っているのに

Never Told You But I Love You / REBECCA

2023年10月16日 (月)

新作のプレッシャー。

Akatsuki195

マイケル・ジャクソンのアルバム「スリラー」は、世界的な大ヒットであった事は言うまでもありません。
中学生だった私も、飽きるほどよく聴きました。
その頃の友達と、必然的に次の作品の話になります。
次はどんな作品が発表されるのか。

しばらくして発売が決まり、大騒ぎ。
当時新しい音楽の音源はFM放送でしたが、それだけで連日大フィーバー。
まだ、音源がないのに、期待が増大して行きます。

発表されたアルバム「BAD」は、やっぱり聴きごたえあり。
夢中でした。

しかし、様々な媒体で、様々な評価。
これは好き嫌いも入る事ですし、やむを得ない事。
特に好き嫌いがどこかに入っている話は、感情的な問題を含み熱くなります。
中学生なんて、そんなもの。
良い悪いを超えて、感情的な論争です。

ふと、いちファンとして、マイケル・ジャクソンの事を考えました。
大ヒットしたアルバム「スリラー」を超える作品を作り出すのは、大変だっただろなと思いました。
そのプレッシャー。

いい意味で期待を裏切るとか、ファンが求めているもの、自分が伝えたいもの。
その葛藤は少なからず、あっただろうなと思いを巡らせました。
また、お金が集まるところには、様々な思惑の人が集まってきます。
その事も、マイケル・ジャクソン本人を悩ませた事が、その後の生涯からわかる気がします。
中学生の自分も、今の自分も想像を超えています。
きっと。

やっぱり後日談で、11曲入りのアルバム「BAD」をリリースするのに、作った楽曲は300曲以上だったとの事。
それだけで、どれだけ苦労しただろうと考えます。
その未発表曲の中には、Run-D.M.C.とのコラボ楽曲もあったとの事。
それだけでも、聴いてみたくなります。

仕事でも様々な事を期待されます。
いつも、わくわくする施策や話を示せる事は、ありません。
仕事は地味な作業の繰り返しと積み重ねです。
示した方針に沿って事業を進め、新しい発見や気づきを共有し、どう高めて行くか。

マイケル・ジャクソンとは比較にならないプレッシャーに、日々悶絶しています。

2023年10月 6日 (金)

いじられやすい人。

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話しかけやすい人、話しかけにくい人。
様々あると思います。

私は話しかけやすい人だと思います。
よく道を尋ねられます。
日本人に限らず、外国人も多いので、ワールドワイドです。

この事とは別です。
俗に言う、いじられやすい人がいます。

自身に関心をもってもらえる事がうれしいという人もいますが、大抵はそうでないです。
いじるには、多分にからかいがあります。
お笑い芸人が、いじるをきっかけに笑いや話題を作る事とは、根本的に違います。
それには予定調和があります。

これまでも営業場面で後進が同行し、取引先に紹介する事がありました。
その際、本人の趣味や特技などを案内する事がありました。
これは、本人に関心を持ってもらいたい事が目的でした。

本人が気づかない事をいい事に、誘導自問でつまらない発言を誘う。
そして、その発言を嗤う。
問い合わせに答えられない事を知りながら、質問をする。
その取り繕っている様を笑う。

自身にも、分が悪い厳しい商談で、様々な発言から言質をとる事もありました。
しかし、その時に相手を今後の商談で、侮蔑する事を目的として、言質をとった事はありません。

陥れ、それを嗤う。
本当は自分の心に巣食う不安と恐怖を、同じような誰かがいる事で安心する。
そこに安心も、やすらぎもありません。

同じ気持ちの人がいたら、その気持ちを分かち合う。
その方が安心も、安らぎもあります。
そこに孤独と、その孤独からの絶望はありません。

2023年10月 5日 (木)

おじさんは、いつもでも、どこでも眠い。

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モンテネグロで最も怠け者を決める、変なコンテストが開催されているとの事。
今般は記録が飛躍的に伸びており、終わりが見えない闘いになっているらしい。

自分には、参加できないコンテストだ。

最近は眠くても、ある一定の時間就寝すると、もう眠れない。
意識がはっきりしてくる事も勿論だが、身体のあちこちが痛くなり寝ていられなくなる。

ところが、それを回数で補う事で調整をしているらしい。
テレビを見ながら、本を読みながら、お腹がいっぱいになってなど、度々意識を失う。

眠り続ける事が可能なのも、若さの象徴とはよく言ったものだ。

WBSを観ながらウトウト。
しかし、妻がチャンネルを変えようとすると「観てます」と目を覚ます。
観てないのに。

サブスクで映画を観る。
止められる。
「観てます」と目を覚ます。
観てないのに。

試しに、ここまでのストーリーを説明して下さい。
出来るわけない。
観てないのに。

会食でも、日付変更線は先ず超えられない。
ギリギリで電車乗って、仮に座ったら、気付けば上り電車が終わった終電。
車両の電気は消え、誰も乗っていない幽霊電車がゆっくり発車する。

眠ってはいけないと思い、つり革につかまる。
その姿はつり革を利用した新しいダンスの様に、右に左に揺れ、つり革起点にしてグルグル回る。
膝がガクガク。
大変、迷惑なおじさんだ。

車の長距離運転も、休憩無しの連続運転限界のハードルは低い。
半分別世界へ意識が行くと、隣の妻がこの世界へ引き戻しに来ます。

しかし、じっとしているのは苦手。
充電池の性能は著しく低くても、充電限界まで頑張ってしまいます。

若かりし頃、仕事に夢中で同僚から「いつ寝てるんだよ?」と聞かれる事がありました。
最近は「いつも寝ています」だ。

睡眠外来を夫婦で受診。
無呼吸症候群の疑いです。
結果、シーパップが必要なのは妻との診断。

何もしないで、寝ているだけでしあわせ。
もう出来ない事もあるけれど、うらやましくないな。

2023年10月 4日 (水)

現実と思い込み。

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ジャニーズ事務所の問題は、マスコミを連日にぎわせ、ニュース番組のトップになります。
同じ内容が繰り返され続け、少々食傷気味です。

ベストセラーになったファクトフルネス。
先日ブックオフで、同書がワンコイン(500円)で販売されていました。
良書なので、多くの人の目に触れるといいな…とその時思いました。

この第9章犯人捜し本能「誰かを責めれば物事は解決する」という思い込み…があります。
犯人捜し本能を抑えるには、誰かを責めても問題は解決しないと肝に銘じよう…とあります。

マスコミは、世界中で発生している不幸な状況を報道します。
マスコミの使命でもありますが、視聴者の関心をひくためにも、センセーショナルであったりします。
我々はそれを注視します。

自分の環境と比較して、恵まれている事を認識し、安堵します。
過酷な環境にある人々へ、憐憫の情を送ります。
私を含む人は、どうしても否定できない、そういうところがあります。

フジテレビのワイドナショーで、ダウンタウンの松本さんが言っていた事。
その後はどうなったのか。
それが、とても大切な事だと思う事があります。

人の不幸は蜜の味で、大きな変化の無い話は退屈な事柄なのかもしれません。
でも、それが思い込みを解消して行く大きなファクターなのだと、著者の意見に賛同するのです。

同書は豊富な図案とわかりやすい表現で、とても読みやすい本でした。
我々が陥りやすい事例が豊富で、誰でも思い当たる部分があるのではないか。

ネットニュースなど、センセーショナルなるで思い込みを誘発しやすい記事があふれています。
それを冷静に判断するとは、どういう事か。
とてもわかりやすいと感じたのです。

しかし、目前の厳しい現実に対し、世界は良く、良い方向に変化していますと理解するのは難しいです。
でも、事例は希望に変化する事がある。
約2年前に、新型コロナウィルスをただセンセーショナルに伝えるワイドショーを、冷静な目で見る事が養えるヒントがあります。

訳者さんのあとがきが、この本の性格を言い当てていると思います。

この本が世の中に残る一冊になるだろうと考える理由は、この本の教えが「世界の姿」だけではなく、「自分の姿」を見せてくれるからです。
知識不足で傲慢な自分、焦って間違った判断をしてしまう自分。
他人をステレオタイプにはめてしまう自分、誰かを責めたくなってしまう自分。
そんな自分に気づかせてくれ、少しだけ「待てよ、これは例の本能では?」とブレーキをかける役に立ってくれるのが、ファクトフルネスなのでしょう。

ファクトフルネス /  ハンス・ロスリング、 オーラロスリング、 アンナ・ロスリング・ロンランド
P340

2023年10月 3日 (火)

愛だけじゃ お腹がすくから 早く大人になって 強く抱きしめて。

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愛だけじゃ お腹がすくから
早く大人になって 強く抱きしめて

こごえてるキスが 不安だから
早く大人になって 強く抱きしめて

LITTLE DARLING / レベッカ

レベッカのアルバム「BLOND SAURUS」の一曲です。

このアルバムが発売された時、社会人になる少し前だと思います。
この歌詞に、現実に生きて行く、その現実を感じた覚えがあります。
大切な人と生きてゆくには、絵空事だけではダメな事。
社会に出る前に、享楽の宴が終わる予感があったのかもしれません。

モーツアルトのピアノ協奏曲第21番の第2楽章の美しいメロディに心奪われたの先です。
これが「みじかくも美しく燃え」という別名で表記される事があり、その映画へと引き寄せられました。

映画は制作されたのが、自分の誕生年と重なります。
物語の主人公は、とても美しい。
また、背景の景色はどこをとっても、いちいち美しい。
まるで絵画の様で、舞台のスウェーデンへ行ってみたいという気持ちになりました。

劇中で使われているモーツアルトのピアノ協奏曲は、とても印象的です。
別名で表記される事がある事を、理解できます。
他にヴィヴァルディの「四季」の「夏」が記憶にあります。

しかし、美しい景色が、美しい主人公が余計に引き立てるのかもしれませんが、物語が進むにつれて苦しくなってきます。
それは徐々に、逃げ場を失い、追いつめられてゆくふたりの焦燥感が伝わってくるからかもしれません。
演じているふたりが上手なのでしょうか。

私には結末は、不愉快でした。

愛だけじゃ お腹がすくから

LITTLE DARLING / レベッカ

この歌詞と、この映画への思いが、どこで結びついたのか覚えはありません。
映画の様な道なき恋には、幸い落ちる事はなかったので、どこまでも他人事なのですね。

このレベッカのアルバム「BLOND SAURUS」が発売された頃、私の恋は終わりを告げていました。
ふられました。

もう忘れて、新しい恋に邁進だと考えていた私には、このアルバムの楽曲「Vanity Angel」が響きました。
この楽曲のリズムと音階を上がるキーボードの音、途中のギターソロ。
「さあ、進もう」と、とても心地よかったです。

恋の話は、埃をかぶった記憶です。

2023年10月 2日 (月)

誰かと話す。誰かに話す。

Aktsuki194

取引先の代表者で、齢も70を超える方が第一線から退かず日々活動しています。
その会社は、その代表者が若い頃から苦労して、一代で築き上げられました。

苦杯をなめ、様々な艱難辛苦があった事が話の内容やその話し方に、かもし出す雰囲気から少なからず伝わってきます。
そして、他人を信用する事が出来ない、その孤独と辛さが伝わって、それを私は感じる事があります。

武勇伝を語る。
弱さを見せる事は出来ない。
警戒心が伝わる。

人は話しながら、自らの気持ちに新たに気づいたり、改めて気づいたり、気持ちや心の整理が出来る事があります。
だから、心を守る砦の塀を低くして、心情を吐露できる場所がある事、そんな人がいる事は、いいと思います。

家族や恋人に大切ない人。
上司や同僚に仲間。
スナックやクラブの麗しいママさん達等々…。

例えば歌舞伎町で、同じ思いを抱える者同士が集まる。
自分ひとりぼっちで、考えていたのではない。
同じ悩みを抱える人がいる。

ひとりじゃない。

孤独が全ての原罪であるならば。
孤独から生まれる絶望が、どす黒く心にとぐろを巻いているならば。

その事をわかる事が、次に進める一歩になる。
今日を生きたいと思う。
今を生きたいと思う、そんな気持ちです。

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