あなたはきっと、とても強くて、そしてやさしい人。
心の思いが形を変えて表面に出てくる事がありますね。
妙に感情の起伏が激しいなんて感じた時に経験がないでしょうか。
素直に表現したくても、プライドもあるし、様々な立場や思いから、表現出来ない場面も多々あると思います。
押し黙ってしまったり、最初から自分の心を自分で殺してしまったり…。
いろいろな事があって、いろいろな事がわかっているのに、でも自分の心が整理出来なくて、自分の本意でない方向に表の行動が現れてしまったり…。
小さな子供の様に、思いっきり泣いたり、怒ったり、笑ったり…表現できたら楽ですね。
本当にわからなくなってしまう事がありますね。
でも、時々そんな自分の思いをみつめてやるといいな…と思うのです。
とっても辛い状況なのに、よくガンバっているネ。
本当に、とても頑張っていると思うのです。
どこにも、誰にも頼る人がいなく、孤独で、ひとりで頑張っている。
そんな自分を、自分で褒めてあげて良いと思うのです。
そんな状況を抜け出そうと、新たな思いや勇気が湧いてくる事が、たまにあります。
【ご注意】八日目の蝉のストーリーに触れる部分があります。
映画のクライマックスで、写真を撮影するシーンがあります。
迫りくる別れの予感を感じながら、ふたりが写真館で写真を撮影します。
お母さんが自分の両手も握り、娘に手を出してと言います。
娘が手を出します。
その上で、お母さんが自分の結んだ手を開きます。
そしてそのまま、娘の手を握ります。
「はい…」
「なぁに?」
「ママはもうもういらない。何にもいらない。薫が全部持って行って。大好きよ薫」
お母さんは泣きながら、娘を抱きしめます。
薫には、お母さんの言葉の意味が分かりません。
やがて大人になった薫に、その時の記憶が蘇ります。
誰かに心から大切にされた、その記憶が心に蘇ります。
お母さんの本当の思いを、理解するのです。
薫は本当の心に触れて、号泣し、本当の自身の思いに気づきます。
…と私はこのシーンを理解するのです。
本当の思いや気持ちを伝える難しさ…。
自分を大切のしてくれる人の、大切にしてもらっている事の大切さ…。
その愛情に気づく事…。
あまりにも静かに、あまりにも優しく、あなたが私のそばにいたものだから…。
私はその愛に気付かなかったのです…。
愛は裏切る事よりも、愛に気付かぬ事のほうが、もっと罪深い…。
アニメ「ベルサイユのバラ」よりオスカルの言葉。
高校生の時、再放送で見ていた「ベルサイユのバラ」のこの言葉に私は射抜かれました。
それを見たきっかけは、たまたまつけっぱなしのテレビから、アランの妹が登場した時の音楽に気をとめたからです。
ヴェートーヴェンのピアノソナタ「月光」第2楽章に似ていたメロディーが流れてきた事でした。
そこから、物語はフランス革命に向かって進み、さらにドラマ性を帯びてゆきますので、世界史選択の私は退屈しないで見た記憶があります。
例えば幼い頃から、何かと受け入れてもらえなかった事が多々ある場合、だんだん自分の気持ちをストレートに表現するのが難しくなってしまいます。
自分の言った言葉や行動で、相手(その時は親である事が多々あると思います)が、怒りだしたり、明らかに不愉快な態度を示されたら、とても傷つくし、怖くなってしまいます。
何度もそんな事が繰り返されたら、自分の気持ちを表現する事自体が恐ろしくなってしまいます。
自分を、自分自身を否定されている気持ちになります。
そうして、大人になって多くの人と関わりあう中でも、この気持ちと恐怖を引きずるほど怖い事はないし、いつもとても苦しく辛いです。
本当の自分の気持ちは、自分の心にはここにあるのだけれど、それは表現をする事ができないし、表現する事が怖い。
本当の自分の気持ちを思いを、心を伝えたら…
相手に嫌われないだろうか…。
相手が不愉快に思わないだろうか…。
と怖くなる。
自分が傷つくのも嫌だ。
伝えられないから、自分の心は伝えられないから、本当の事が言えない不満がつのります。
そういう事もとても辛い。
巧みな(ズルイ)人は、そんな苦しいくて怖い気持ちや、つのる不満を見透かして利用します。
でも、利用されている事がわかっていても、それを拒否する事がとても怖い。
心は同じところを戻り、めぐってしまう…とても辛いです。
幼いころから、誰かに助けを求めず、だから助けを求める方法も知らない。
周囲にそれを理解してくれる人もいない。
ずっと孤独で、生きてきた、戦ってきた。
そんな自分に気づいたら、そんな自分を褒めてあげましょうよ。
私はよく頑張って生きてきたって。
たっぷり褒めてあげていいじゃないですか。
勿論、自分が傷つく事も嫌ですが、自分が誰かを不愉快にさせたりするのが嫌で、自分の心を殺してきた。
そのやさしさと強さを褒めていいじゃないですか。
そんな人は、本当はとても強くて、やさしいと思うのです。
とっても辛い状況なのに、よくガンバっているネ。
その時は本当の思いはわかってもらえなくても、いつかその思いが伝わる日がある。
人の世に、きっと誰もが抱いた事がある思いです。
いつか、誰かが歩いた道。
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